うさぎのコラム

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うさぎの首が傾く!?斜頚~ご家庭で出来ること~
2019.08.23

うさぎと健康で楽しく暮らすには、日頃からできる予防や気を付けなければいけないことを知っておきたいですよね。よく耳にする歯や尿のトラブル・呼吸器や生活環境など、最近は調べるとたくさんの情報を知ることが出来ます。そんなさまざまある病気や症状の中から、今回は「斜頚」と呼ばれる症状についてお話したいと思います。

斜頚とは?

一言で説明すると「頚が傾いてしまう状態」を指します。
身体はまっすぐなのに顔だけが傾いていて首をかしげているようにも見えます。
斜頚自体は病気ではなく”症状”です。では、どういったときにこの症状が出るのでしょう。

斜頚の原因

1: エンセファリトゾーン症
エンセファリトゾーンは寄生虫で、主にうさぎに寄生しさまざまな症状を呈します。
うさぎの尿に排泄された寄生虫を他のうさぎが舐め、口から入ることで感染する経口感染、または、母うさぎのお腹にいる時に感染する母子感染があります。斜頚のほかにも、脳炎、腎炎、ブドウ膜炎などを引き起こす場合があり、排泄物の処理には注意が必要です。
 
2: 内耳炎
耳の内耳という部分に三半規管があり、これが平衡感覚を司っています。内耳が細菌感染などで炎症を起こし、斜頚を発症するのは、うさぎだけでなく犬や猫にも該当します。内耳炎が原因の場合は炎症のある方向に傾くため、耳のチェックは必須項目です。
 
3: 落下などの強い衝撃
抱っこをしていて落としてしまったり、うさぎ自身が高いところから飛び降りたりして首周りなどに強い衝撃が加わると斜頚がでることがあります。
他にも、物が落ちてきたり人が誤って蹴飛ばしてしまったりと、落下以外にも強い衝撃が加わる場面をつくらないよう日頃から注意が必要です。
 
※このほかにも原因は多岐にわたります※

<ご家庭で出来ること>よくある質問にお答えします!

Q:斜頚になったらどうするの?
A:まずは動物病院への受診をお勧めします。軽い傾きでも時間と共に悪化していくケースは少なくありません。早朝でも深夜でも、なるべく早く受診しましょう。
 
Q:おうちでのケアはどうしたらいいの?
A:斜頚は進行していくと身体を支えられなくなり、ゴロゴロ転がってしまう“ローリング”や眼が左右や上下に揺れる“眼振”、などといった神経症状を併発することが多くあります。軽度の斜頚ではまだまっすぐ歩くことが出来ても、悪化すると頻繁に転んだり、物にぶつかって歩いたりすることも珍しくありません。うさぎが怪我をしないように柔らかいマットをケージに敷き、金網に足が引っ掛からないようにクッションなどで囲ってあげるといいでしょう。
 
Q:斜頚していても食事はできる?
A:症状が出始めたばかりの時は、うさぎも違和感に戸惑い自力で食餌がとれなくなることがあります。また、食欲は旺盛であってもうまくバランスがとれないため、食べやすいように近くにお皿を置き手から与えるなどのサポートが必要です。普段は給水ボトルでの飲水でも、頚が傾いていては水を飲むのも一苦労です。お皿からの飲水を練習したり、適宜ボトルから飲水を促してあげたりするのも大事なケアのひとつです。
自力食欲がない場合は、お家でも強制給餌(当院では補助給餌とよびます)が必要です。
 
病院スタッフの指導の下、シリンジ(針のない注射器)を使い補助給餌の練習をしましょう。他にも、普段フィーダーに入れていたチモシーは床全体に敷き詰めて、常にどんな体勢でも食餌がとれるよう状況に合わせた工夫が必要です。
 

斜頚は長い付き合いになることが多い症状です

まずは早期の発見と早期の治療、回復の度合いに合わせてケージのレイアウトや使用する床材などを変えてうさぎが快適に過ごせる空間を用意してあげましょう。
 
ご不安・ご心配なことがあればいつでもご相談ください。

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