うさぎのコラム

うさぎのコラム

うさぎが赤い尿をしたけど病気ですか?
2017.04.07

 

おうちにいらっしゃるうさぎの尿の色を見たことがありますか?
一般的にうさぎはさまざまな性状や色のおしっこをします。薄くて黄色い尿、オレンジ色〜赤色の尿、白っぽいサラサラしたものが混ざっている尿・・・。いったいどれが正常でどれが異常なのか、わかりにくいですよね。
 
そんな中でうさぎの飼い主様から多く寄せられる疑問として、「赤い尿」があります。正常なのか?異常なのか?今回はうさぎが赤い尿をした場合に考えられることについてご紹介します。

正常な赤い尿、異常な赤い尿とは

「赤い尿」を主訴に病院を訪れるうさぎはとてもたくさんいらっしゃいます。その中には、生理的な赤い尿「赤色尿」である場合もあれば、血が混じっている病的な状態、「血尿」であることもあります。あなたのうさぎが赤い尿をしているなら、排尿の様子を詳しくみてみてください。尿をするとき痛がっていますか?1回の尿の量はどのくらいですか?排尿の後に尿漏れの様な様子はありますか?毎回尿は赤いですか?尿全体が赤いですか?透明な尿の中に赤い染みがつきますか?元気、食欲にも変化はありますか?

赤色尿

生理的な「赤い尿」というのは、うさぎに特徴的にみられるポルフィリンという色素成分の入った尿で、純粋なものの場合は治療の必要がありません。ポルフィリン尿か血尿なのかは見た目だけでは判断できません。どうみても見た目上はわからない少量の出血があることもあれば、健康でも赤い色のポルフィリン尿をすることがあるからです。治療が必要のかどうか判断するためには尿検査が必要となります。ですので、赤い色の尿がみられたらまずは病院での検査をお勧めします。

血尿

検査によって潜血反応が見られた場合には、出血によるものが考えられます。多くは尿路系からや生殖器系からの出血が考えられます。
 
・子宮疾患
避妊をしていない女の子場合、子宮からの出血の可能性が9割ほどといわれています。子宮の疾患で多いものは、内膜過形成・癌・筋腫・水腫などですが、進行した状態になるまで元気・食欲に変化が現れにくいため、発見が遅れがちになります。特に癌では治療が遅れてしまうことで治療ができなくなる場合もたくさんみられます。早期発見はその後のうさぎの治療に大きく影響をしますので、早めの検査や事前の避妊手術をお勧めします。
 
・尿路結石
泌尿器系の疾患の原因としては主に尿石症などが考えられます。うさぎは一般的に、食べ物からカルシウムを効率良く吸収し、過剰分を大量に排泄するようになっています。そのため、カルシウムが多い食事を続けていると、尿にカルシウムの小さな結晶が過剰に含まれた状態になり、尿路に結石ができると考えられています。大きな結晶が膀胱にたまってしまうと、排尿時にいきんだり尿路がふさがれてしまうため重篤な状態に進行する可能性があります。このような結石がつまってしまうと、うさぎは排尿をすることができなくなり、命にかかわる重篤化につながります。うさぎでは希といわれていますが、尿ができな状況で「様子をみて」しまうと、1,2日の間に命を落としてしまいます。石が小さい場合は内科的に石と尿を一緒にだす治療がひつようになりますが、大きな石の場合は早期に外科的に結石を取り除く必要もあります。結石予防にはとにかく食生活が影響しますので、普段の食事に関してもご相談ください。
 
・膀胱炎
血尿の原因には、膀胱炎もあります。症状は尿路結石と非常に似ているため、判断は病院での検査結果によって行われます。多くは細菌性の膀胱炎が多いため、内科的に抗生剤・抗炎症剤などを用いた治療を進めますが、根本に結石や腫瘍があることによる膀胱炎の場合はそれらの疾患の治癒がまずは必要になります。
 
うさぎのおしっこは見た目もいろいろですが、見た目だけでは正常なのか異常なのか判断が難しいです。そのため、尿の色が赤い時は早めの検査をお勧めします。うさぎはもともと調子がわるくなってもそれを隠してしまう動物なので、症状がでてしまうころには病気が深刻化していることがあります。避妊手術における疾患の予防について、食事について、普段の排尿の様子などでご不明なことがあれば当院の獣医師にご相談ください。

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