犬のコラム

犬のコラム

犬の哺乳期・犬の離乳期
2020.03.03

 
これからおうちのわんちゃんの妊娠・出産を考えている方、控えている方、生まれたての子犬の栄養管理は非常に大切です。また、母犬が十分に子犬の世話をしてあげられない場合、飼い主がその役割をしてあげる必要があります。

1.哺乳期:生後0~30日頃までの時期

 

 
《初乳が大切》
生後3週間頃までの子犬は、食べて寝るという生活を繰り返します。必要な栄養はすべて母乳から取り入れます。子犬は生後48時間頃までに母乳(初乳)を飲むことによって、母親のもつ免疫(移行抗体)を腸から吸収し、母犬の抵抗性を獲ることができる・エネルギーを高濃度で供給するといった大事な役割があります。また、同時に水分を補給することで、循環血液量を増加させる働きもあります。そのため生まれたすぐの無防備な子犬には、できる限り初乳を飲ませることが望ましいのです。

《母乳を飲まないときは》
 

 
母犬の母乳が十分に出なかったり、何らかの事情で母乳を飲むことができなかった場合は、犬用の栄養量を満たす犬用ミルクを与えます。牛乳は、牛乳中のラクトース含有量が約3倍と犬の母乳よりはるかに多く、牛乳を多量に与えると下痢を起こし、ひどい場合は脱水状態に陥ったりすることもありますのでお勧めはできません。
 
ミルクの作り方
授乳期の子犬は体温の維持機能がまだ十分ではありません。ミルクの温度にも注意が必要です。体温が下がると衰弱してしまうので、普段からの保温に加え、ミルクの温度にも気を付けてあげましょう。ミルクの回数は、生後2週間頃までは1日6~8回、それ以降は4~5回に分けて与えましょう。
 
※この時期、一番の注意は誤嚥性肺炎です。哺乳瓶からミルクをうまく飲むことができないと、呼吸器(気管や肺)にミルクを誤って吸い込んでしまい、肺炎を起こすことがあります。鼻からミルクが出てきてしまった場合は、一度哺乳をやめて呼吸状態の確認をしましょう。ミルクを飲む前と違いを感じたら、すぐに病院に相談してください。

2.離乳期:生後20~60日頃までの時期

 

 
《どんな離乳食がいい?》
生後3週間頃から乳歯が生えはじめてくるため、離乳食を食べ始める時期ですが、フードに慣らしていくことが重要なポイントです。まだ食物を消化する能力も低いため、離乳食にはやわらかくて消化のよいもの・エネルギー密度が高いフードを与え、補助的に母乳か犬用ミルクを与えます。
また、この時期は骨や筋肉などの発達に欠かせないタンパク質、骨の発達などに必要なカルシウム・リン・マグネシウムなどのミネラルなどを十分にバランスよく摂取することも重要です。
犬のライフステージにおいて哺乳期・離乳期はとても大切な時期です。きちんと体重が増加しているかチェックしながら、愛犬の成長を楽しみましょう。何かあれば、当院にてご相談下さい。

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