猫のコラム

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猫の呼吸が早い! 考えられる病気と対処法
2017.02.09

 

ご自宅の猫ちゃんの呼吸が急に荒くなってしまったり苦しそうな様子が見られたら飼い主様としてはとても心配ですね。では、実際に呼吸が早いと判断する基準や、具体的にどのような病気が考えられるのかご紹介したいと思います。

1.猫の正常の呼吸回数

まず、猫の正常の呼吸回数はどれくらいでしょうか。
猫の場合、毎分20〜40回程度、また寝ているときは15〜25回程度と少なくなるのが通常です。特に寝ている時の呼吸回数を見ることは重要で、安静時の呼吸が早い場合は何らかの病気が隠れていることもあります。興奮して一時的に早くなっているのか迷った際は、安静時呼吸数を数えてみると良いかもしれません。

2.猫の呼吸数の測り方

愛猫が安静時(寝ている時など)に、1分間、胸の上下運動の回数を測ります。胸が上下して一回の呼吸とカウントします。
10秒間測定して6倍、または15秒間測定して4倍することで、1分間の呼吸数とすることもできます。
日頃からお家の猫の呼吸数が大体どのくらいかを意識してあげることで、異常にも気付きやすくなるかもしれませんね。

3.猫の呼吸が早い場合に考えられる病気

猫の正常な呼吸の状態がわかった所で、次に猫の呼吸が早い時に考えられる病気をいくつかご紹介します。

・猫の呼吸器感染症
猫が気管支炎や肺炎などの呼吸器に感染が生じている場合です。
原因としてはウイルスや細菌、真菌、寄生虫、またアレルギーや腫瘍などから2次的に感染症を起こしていることもあります。
 
・猫のケガ
猫がケガや痛みから呼吸が早くなってしまうこともあります。
高いところから落ちてしまったり、外で他の猫と喧嘩をしてケガをしている場合、また交通事故などが原因で呼吸が荒くなっていることがあります。
お家の猫が外から帰ってきて一時的に興奮して呼吸が早くなっていることもありますが、その場合は1時間もすれば元に戻ります。明らかにケガをしていたり、ぐったりしている場合は動物病院で診てもらいましょう。
 
・猫の熱中症
夏場の暑い時期はもちろん、冬場の暖房のつけ過ぎなどでも猫が熱中症になってしまうことがあります。
お家の猫の呼吸が荒く元気無くぐったりしていたら、熱中症の可能性があります。猫はもともと飲水量が少なめな動物なので、こまめに水分をとってもらうためにも水場の数を増やしたり、流水タイプの水場にするなど工夫してあげるのも一つです。
 
・猫カゼ(猫ウイルス性鼻気管炎)
猫の呼吸器疾患のうち一般的に多い病気が猫カゼです。原因としてはヘルペスウイルスやカリシウイルスというウィルスによるものが考えられます。
私たちの風邪のように鼻水やくしゃみ、目ヤニや発熱、元気がないなどの症状が見られます。また悪化すると肺炎や重度の結膜炎に繋がる可能性があります。
治療は抗ウイルス薬であるインターフェロンや抗生剤を使用します。慢性化してしまった場合や子猫の時に感染してしまった場合は、一時的に症状が改善してもストレス時や免疫力が低下した際に症状の再発を繰り返すことがありますので、早めの治療が重要になります。
 
・猫喘息
猫喘息の主な症状は咳です。はっきりとした原因は解明されていませんが、ダニなどのハウスダストやタバコ、花粉等のアレルゲンの吸引が関係していると考えられています。
治療はアレルゲンの除去が根本解決の鍵になることもありますが、なかなか難しいため多くは対症療法になります。ステロイド剤や鎮咳薬、薬の噴霧療法等を組み合わせて咳の管理をしていきます。
 
・猫の心臓病
猫には心筋症が多く、血液の循環が悪くなることで胸の中や肺に水がたまり、呼吸困難を起こす可能性があります。この場合呼吸が早くなるだけでなく口を開けて呼吸してしまうこともありますのですぐに病院で適切な処置をしてもらいましょう。
また先天性の心臓疾患をもっている場合でも、子猫の時は症状が無く、成猫になってから症状が出てくることもあります。病気によって治療法は異なりますが手術で改善するものやお薬で維持していくものもあります。
 
・猫の血栓塞栓症
この病気は先ほど述べた心筋症に付随することが多いですが、猫の血液中に出来た血栓が血管に詰まることによって起こります。症状としてはある日に突然強い痛みとして発症し、その後呼吸が早くなったり、後ろ足に力が入らず腰が抜け歩けなくなることもあります。
治療は発症してから半日以内が重要となりますので、急にこのような症状が現れたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。

4.おわりに

猫の呼吸が早いといっても病気は多岐にわたります。病気によってじっくり治療していく場合もあれば、早急に処置が必要な場合もあります。呼吸が早い状態が続いたり、それに伴って元気が無い場合は早めに病院にご相談ください。
 
特に、猫は通常であれば口を開けて呼吸をすることはないため、口を開けてハァハァと呼吸していたら要注意です。また、舌の色も、正常な呼吸が出来ていればきれいなピンク色をしていますが、呼吸がしづらく十分に酸素を取り込めていない場合はチアノーゼといって舌の色が紫色になります。このような場合には緊急性が高いためすぐに動物病院で診てもらいましょう。
呼吸が苦しそうなのは飼い主様にとっても不安が大きいと思います。興奮しているだけなのか、様子をみていて大丈夫なのか判断が難しく、不安なこともあると思います。

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