犬のコラム

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犬の呼吸が速い!知っておきたいこと
2020.03.03

飼っている犬が普段は落ち着いて呼吸をしているのに今日はなんだか呼吸が速いなぁなんて経験はないでしょうか。
緊張しているときや運動後、暑いときに呼吸が速くなることはありますが、そういった状況でない場合は何か病気のサインかもしれません。
 
今回は犬の呼吸が速いと判断する基準や、知っておきたい大事な病気を紹介します。

1: 犬の正常の呼吸回数

犬の正常の呼吸回数はどのくらいかご存知ですか。
犬の場合、毎分10〜35回程度が通常です。特に寝ている時の呼吸回数を見ることは重要で、この際にも呼吸が速い場合は何らかの病気が隠れていることもあります。興奮して一時的に早くなっているのか迷った際は、安静時や寝ている時の呼吸回数を数えてみると良いかもしれません。また、夏場は体温調整のために、少し呼吸が早くなることがあります。

2:犬の呼吸数の測り方

愛犬が安静時(寝ている時など)に、1分間、胸の上下運動の回数を測ります。胸が上下して一回の呼吸とカウントします。10秒間測定して6倍、または15秒間測定して4倍することで、1分間の呼吸数とすることができます。日頃からお家の犬の呼吸数が大体どのくらいかを意識してあげることで、異常にも気付きやすくなるかもしれませんね。

3:犬の呼吸数の測り方

呼吸数が正常でも、呼吸の仕方がいつもと異なる場合も病気の可能性があります。
・上を向いて呼吸している
・深い呼吸をしている(お腹や胸がいつもより大きく動く)
・伏せることができない 眠れない
・咳が続いている
・舌の色が白い、青い
これらの状態がみられたときは、「呼吸が苦しい」状態かもしれません。緊急的な病気の可能性があるので、病院を受診しましょう。

4:犬の呼吸が速い場合に考えられる病気

犬の正常な呼吸の状態がわかった所で、次に犬の呼吸が速い時に考えられる病気をいくつかご紹介します。
 
■鼻の疾患
例:犬の鼻炎
鼻の内部で炎症が起きてしまう病気です。単に風邪のような症状ではおさまらず、重症化してしまうと鼻の内部が腫れてしまい、呼吸をしにくくなってしまいます。
原因としては細菌感染、ウィルス感染、アレルギー、異物、腫瘍などがあげられます。
 
■のどの疾患
例:短頭種気道症候群/軟口蓋過長症
パグやブルドックなど短頭種に多くみられる病気です。適切な処置を行えば呼吸の苦しさは軽減しますが、呼吸困難な状態が長時間続いてしまうと、体内に十分な酸素が供給されずに危険な状態になってしまうこともあります。
 
■気管の疾患
例:犬伝染性気管/気管支炎
主に若齢の犬において発症する急性かつ非常に伝染力の強い病気です。犬は苦しそうに前足を突っ張ってハァハァと呼吸をします。ウィルスが原因の場合、ワクチン接種による予防が可能なためワクチン接種はしっかり行いましょう。
 
■肺の疾患
例:肺炎
肺炎の多くは感染性のものですが、他にも誤嚥してしまった場合でも起こります。症状は気管支炎や鼻炎のときよりも重く、重症化すると早期に死に至ることがあり、早めの対応が必要な緊急疾患となるため注意が必要です。
 
■胸の中の疾患
例:胸水
心不全や腫瘍、感染症などによって、胸の中に水が溜まってしまうことがあります。その結果、頑張って肺が膨らもうとしているのに溜まっている水が原因でうまく膨らむことができず呼吸ができなくなってしまいます。
 
■心臓の疾患
例:心不全
心不全によって多くみられる異常は、心臓がうまく動くことができなくなった結果、肺の中に水が溜まってしまう肺水腫という病気です。
 
例:フィラリアの心臓への寄生によっても、循環不全や肺への影響で呼吸が早くなってしまうことがあります。しっかり予防薬を飲んで、対策しましょう。
 
ここまで、犬の呼吸が早い場合に考えうる大事な病気をご紹介しました。上記以外にもたくさんの病気があります。呼吸状態の変化は、普段、犬と生活していて気付いてあげやすい症状かと思われます。何か普段と違うな?そんな時は早めに動物病院で診てもらいましょう。当院は24時間365日夜間でも診療を行っておりますので、いつでもご相談ください。

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