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「犬のおやつ」——健康としあわせのちょうどよいバランスを考える
投稿日 2025.06.20
日々の診療の中で、「うちの子におやつをあげたいんですけど、あげても大丈夫ですか?」というご相談をよくいただきます。 おやつは、私たち人間にとっての間食と同じく、犬にとっても「楽しみ」や「ごほうび」であり、時にはご家族との大切なコミュニケーションの手段にもなります。 しかし一方で、体重管理や病気の予防・治療という観点から見ると、「おやつ=余分なカロリー」になってしまうこともあります。今回は、おやつとの“ちょうどよい付き合い方”について、動物たちの健康とQOL(生活の質)の両方に目を向けながら、考えてみましょう。
犬の健康を守る上で、「適切な体重の維持」は非常に重要です。肥満は、関節疾患、糖尿病、心臓病など、さまざまな病気のリスクを高めてしまいます。 実は、おやつ一つで、ごはん一食分に近いカロリーをとってしまうこともあります。特に体の小さい犬では、おやつの影響がより大きくなります。「少しだけだから大丈夫」と思っていても、日々の積み重ねが大きな差となって現れるのです。
それでも、「おやつをもらっているときのあの嬉しそうな顔がたまらないんです」「シニア期になってからは、食事の楽しみを大事にしてあげたい」——そんなご家族の気持ちも、私たちはよくわかります。 おやつには、食べる楽しみだけでなく、しつけやトレーニング、ご家族とのふれあいの時間という大切な役割があります。「全くあげてはいけない」ではなく、「上手にあげる」ことを目指しましょう。
1. 一日のカロリー内で計算する おやつは、1日の総カロリーの10%以内が目安です。例えば、1日300kcalが必要な子なら、おやつは30kcalまでが上限。与えた分だけ食事の量を調整するのが基本です。 ただし、実際のご家庭では「家族の一人ひとりが知らず知らずにおやつをあげてしまっている」というケースも少なくありません。 そんな時、私たちがご提案しているのが「おやつ入れの共有」です。例えば、1日に与えてよい分量のおやつを一つの容器や袋に入れておき、それを家族みんなで共有して使うようにする。中身がなくなったらその日は“おしまい”と決めておけば、おやつのあげすぎを自然に防ぐことができます。 家族みんなが「うちの子の健康を一緒に守っている」という意識を持つことにもつながります。 2. おやつの“質”を考える 市販されている犬用のおやつの中には、高脂肪・高糖質のもの、保存料や添加物が多く含まれているものもあります。「犬用」と書かれていても、選ぶ際には成分表示をよく確認しましょう。 おすすめは、以下のようなシンプルで自然な素材を使ったおやつです: ・茹でた野菜(にんじん、ブロッコリー、かぼちゃなど)※ただし味付けはせず、与える量にも注意を ・乾燥させた無添加のお肉スナック(鶏のささみ、馬肉など) ・歯みがき効果のあるガムや硬めのトリーツ(適切なサイズを選ぶことが大切です) また、療法食を使用している子の場合は、おやつの選択肢が限られることもあります。そんなときは、療法食を“ごほうびのように演出する”方法もありますし、同シリーズの低カロリーおやつが用意されていることもあるので、ぜひご相談ください。 3. 特別な時間を演出する おやつは単なる「食べ物」ではなく、ご家族と動物が触れ合うための“ツール”でもあります。たとえば、以下のような使い方で、QOL(生活の質)の向上が得られるかもしれません。 ・トレーニング中のごほうびとして使う(「おすわり」や「まて」ができたら1粒) ・お留守番の前に知育玩具に詰めて与える(留守中の不安軽減にも) ・シニア期の子には、ゆっくり一緒に過ごす時間に、少量のおやつを「一緒に味わう」ような感覚で与える また、食べるスピードが速い子には、少し工夫をして食べるまでに時間がかかる形でおやつを与えることで、満足感を高め、食後の落ち着きも得やすくなります。
私たちは、動物たちの「健康寿命」を大切にしています。しかしそれは、「長生き=我慢」ではないはずです。 動物も年齢を重ね、食べられる楽しみが減ってくることがあります。病気の治療中であっても、適切な工夫をすれば「食べる喜び」を支えることができます。 当院では、必要に応じて療法食とのバランスや、病状に応じたおやつのご提案も行っています。おやつについて悩まれたときは、遠慮なくご相談ください。
このように、おやつは「健康に悪いもの」と決めつける必要はありません。大切なのは、“あげ方”と“選び方”、そして“ご家族の意識の共有”です。 おやつを通じて、動物たちがより楽しく、健康で、ご家族との絆がより深まるように——そんな思いを込めて、私たちも日々診療にあたっています。 日本動物医療センターとそのグループ病院では、食事に関する相談も積極的に承っております。「やさしさ」と「納得」のちょうどよいところを、一緒に探していきましょう。
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JAMC(日本動物医療センター)グループの基幹病院です。先進医療、365日24時間対応。24時間体制での治療・看護。CT完備。毎週水曜日は休診(救急は常時受け入れます)。
麻布十番犬猫クリニック
東京都港区麻布十番 2-8-5-40103-3457-8612
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原宿犬猫クリニック
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女性の獣医師院長が在籍し、ご家族様との健康的な生活をサポートします。
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本院にて豊富な経験を積んだ獣医師が診療を担当しています。トリミングも実施。
当院は年中無休で24時間救急診療に対応しています。ご家族様と動物たちへ「常に安心」をお届けします。
日本動物医療センターグループ本院
東京都渋谷区本町6-22-3(新宿駅から2駅の幡ヶ谷駅から徒歩7分)
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