猫のコラム

猫のコラム

猫の慢性腎臓病
2021.03.23

シニア期の猫の代表的な病気と言えば腎臓病が第一にあがると思います。猫が腎臓病になりやすい理由は、実ははっきりはわかっていません。ただ、一説によると、猫の祖先は砂漠地帯に生息しているリビアヤマネコで、砂漠のような水の少ない環境で生きるため、犬などよりも水を飲まず少ない飲水量で濃い尿を排泄する体のしくみとなっているため、腎臓に負担がかかって腎臓病になりやすいと言われています。
15歳以上の猫ちゃんの70〜80%腎臓病であるという報告もあるこの病気がどんな病気なのか、そう診断された猫ちゃんにどんなことをしてあげられるか、お伝えしようと思います。
 

 

腎臓病とは

腎臓は尿をつくる臓器で、老廃物など体内の不要なものを体外へ排出したり、体内の水分量を調整するために重要な役割を担っています。この腎臓が、何らかの要因により十分に機能できなくなる状態を腎臓病といいます。
 
腎臓病には、以下の2種類があります。
 
1) 急性腎臓病
解熱剤や観葉植物など腎臓に毒性のあるものの摂取や、尿路結石等の原因により、腎臓が急激に大きなダメージを受ける病態です。短期間で腎機能が大きく低下するため、病態の進行が早く、早期に治療をしないと命に関わります。
 
2) 慢性腎臓病
長期間(3カ月以上 )かけて腎臓が持続的にダメージを受け、徐々に腎機能が低下する病態です。加齢に伴い腎機能がゆっくり低下するために発生することが多く、高齢の猫で多く見られます。今回ご説明する腎臓病はこちらを指します。

 

症状

長い時間をかけてゆっくりと症状が進行します。初期では明らかな体調不良は見られませんが、水をたくさん飲み薄い尿を多量にする(多飲多尿)ため、水を飲む量が増える・排尿の量や回数が増える・尿のにおいが薄いといった症状が見られます。その後病態の進行に伴い、体重や食欲の減少、嘔吐や貧血などの症状が現れます。
 

治療

長期にわたってダメージを受け続け破壊された腎臓の組織は、再生することが出来ません。そのため治療は、残存する腎組織への負担を出来るだけ減らし、病気の進行を遅らせることが目的となります。病態や症状に合わせて、療法食を用いた食事療法や投薬、点滴等により治療を行います。定期的に検診を受けて病気の進行具合を把握し、状態にあった治療法を実施することが大切です。
 

猫ちゃんのために出来ること

 
1) 日頃から尿の量や飲水量をチェックしましょう

 
特に初期症状の現れづらい慢性腎臓病では、日頃から尿量や飲水量をチェックすることにより、病気の発見を早めることができます。1日当たりの排尿の回数をチェックしたり、水の食器を目盛付きのものにする等の工夫により、尿量や飲水量の増加に気付けるよう心がけましょう。猫の飲水量は食事内容や気温等により変化しますが、成猫で1日当たり約250ml(小さめのペットボトル)以上の水を飲むことが続くのであれば、多飲多尿を疑い動物病院に相談しましょう。
 

2) 新鮮なお水をたくさん飲める環境を整えましょう
脱水は、腎臓に負担をかける要因の一つとなります。水飲み場を複数個所に設置する、ウェットフードなど水分含有量の多いフードを利用する等の工夫により、常に十分な水が飲めるよう心がけましょう。
 

3)塩分の多い食餌は控えましょう
塩分の多い食餌は、腎臓に大きな負担を与えます。人の食べ物は猫にとって味が濃すぎるため、控えましょう。また高塩分なフードやおやつに慣れてしまうと、いざ病気になった際に療法食を全く食べないことがあるため、日頃から食事管理に気をつかい良質なキャットフードを与えましょう。慢性腎臓病の発症が多いとされる高齢猫用のフードは、腎臓への負担が少ないよう成分が調整されています。慢性腎不全の予防のため、シニア期と言われる7〜10歳を目安にフードの見直しを行いましょう。
 

4) 定期的な健康診断を受けましょう

 
猫は体調不良を隠すのが上手な動物であり、元気そうに見えても実は体の中に病気を隠している場合があります。慢性腎臓病では、腎臓の機能の約7割が障害されるまでは目立った症状が見られないと言われており、体調不良に気付いた時点では重症になってしまっていることもあります。元気そうに見えても、年に1回・シニア期に入ったら半年に1回を目安に、定期的な健康診断を受けましょう。また慢性腎臓病の早期発見には尿検査が有効なので、血液検査と併せて尿検査も定期的に実施することをお勧めします。

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