情報公開

有害事象に関する情報の公表

当院では、医療に関する安全性・透明性を確保するため、当院で実施される治療において発生した重篤な有害事象に関する情報を公表いたします。なお、公表している有害事象情報は動物薬事の管轄である農林水産省にもメーカーを通じて報告済みのものです。なお、患者様ならびにご家族様の個人が特定されるような情報は一切公開せず、またご家族様の許可を得たうえで情報公開を行っていますが、情報公開を望まない場合は当院までご連絡下さい。

お問い合わせ先:03-3378-3366(日本動物医療センター本院)

なお、当院では医薬品等の情報についてはメーカーの担当者ならびに動物薬事の管轄である農林水産省の動物医薬品検査所から得ています。

当院が有害事象を公開する理由

私たちは動物の健康を担う立場として、医療技術と品質向上に関して具体的な目標や課題を設け日々改善に取り組み、また、いつも皆様の大切な家族である動物たちの健康と安全を第一に考え、日々治療に取り組んでいます。

しかし残念ながら、どんな病院にも危険な事象や医療事故が起こる可能性はゼロではありません。私たちの病院も例外ではありません。医療機関の特殊性により都合の悪い事象をブラックボックス化させてはならないと考えています。重大な事故が発生した際、透明性を持って公開することが、皆様と今後の関係を維持し、さらに深化させるための一歩だと考えています。

私たちは、2020︎年に予防薬の投与後に急速に体調を崩し、その後動物が亡くなるという悔やんでも悔やみきれない悲痛な事故を経験しました。投与に対してより慎重な態度を持ち合わせていれば回避できた可能性は否めませんでした。どのような薬であっても安全性の確保や危険性に関する情報伝達は必須です。

複雑化、高度化する昨今の医療現場で、事後対応に終始するのではなく未然防止に重きを置き、ゼロに近づけていく取り組みを継続することが重要であると考えます。

今後、月日が経ってもこの事故を風化させず、全ての医療行為に対する安全性をスタッフ一同で守り続けていく所存です。

また近年人医療領域では情報の透明化が進んでおりますが、獣医療領域では未だその取り組みが活発と言える状況ではありません。当院におきましては、有害事象報告やその改善点などご家族様に有益な情報を開示していく必要性を感じ、このメッセージを発信するに至りました。

皆様の動物たちの健康と安全のために、私たちも常に反省と改善を重ねてまいります。

日本動物医療センターグループ
代表 上野 弘道

医療に係る安全管理のための指針

1、趣旨

日本動物医療センター本院(以下「当院」と略す)は、医療現場でのアクシデント/インシデントを減らすために病院全体として取り組みます。高度化、複雑化する獣医療環境、休むことのない24時間救急看護体制において、安全で質の高い医療をご家族様に提供し続けるには、各スタッフ個人の注意・努力に依存する事故防止対策には限界があり、組織的な安全管理体制の構築、またその仕組みの定期的な振り返りを行い、確実に機能し続けることが不可欠だと考えます。本指針は、ご家族様に獣医療の安全と安心を提供するための方策として定めるものであります。

2、医療安全管理に関する基本的方針

「医療の安全」とは、動物に適切な獣医療を提供する中で、有害な医療行為を行わず獣医療による恩恵を最大限に享受してもらうことを目的とします。過去の人医療、獣医療の歴史を振り返り、残念ながらヒューマンエラーをゼロにすることは不可能であるという前提に基づき、いかにその確率をゼロに近づけるか、事後の振り返りにとどまらず未然に防ぐ仕組みを組織で構築、スタッフ一人一人の行動に紐づけ機能させ続けるかが重要であると考えます。まだ獣医療分野では積極的とは言えない情報の透明化についていち早く取り組むことで、ご家族様をはじめ、症例を紹介いただく病院の方々、地域社会の期待に応えられる医療が推進できる病院であります様精進して参ります。以下に当院の医療に係る安全管理に関する基本的方針を示します。

1)動物たち、そのご家族様、当院に従事するスタッフが安心・信頼できる医療体制の構築
動物たち、そのご家族様、ご紹介いただく病院の方々、地域の方々に安心いただける医療の提供を実現するために、信頼、納得できる医療体制を構築します。

2)チーム医療の機能向上
当院の24時間救急看護体制は、様々な職種のスタッフが外来や入院業務を中心とする病院機能に携わることで成り立っています。スタッフがチームとしてご家族様、動物に質の高い手術や入院管理、各種検査、看護、ホスピタリティーをシームレスに提供するために、円滑なコミュニケーション体制を築くと同時に、高い精度で機能させます。また、安定的な24時間救急看護体制を維持するために、スタッフのライフステージの多様性の尊重、及び、適切な労務環境を整備することにより、一人ひとりが自分らしく働けるよう人的資本経営を行います。

3)「医療の質」の検証
当院におけるご家族様からの様々なヒアリングの機会、例えば顧客満足度調査や、各種口コミ、直接のご意見などを定期的に集約、検証することでご家族様目線の「医療の質」に関する振り返りを実施しています。改善策は、院内コミニケーションツールでのスタッフ全体への共有と共に、適切と思われる部署において改善活動に繋げます。

当院で発生した重篤な有害事象に関する報告手順

重篤な有害事象が発生した場合には、速やかに然るべき対応を行います。

1.重篤な有害事象を当院内で認めた場合、診療担当者は直ちに病院長宛に報告する。なお、報告の際は以下の点を考慮することとする。
・有害事象の詳細および患者の医学的判断(因果関係、重篤性、予測性などの判断)
・医学的考察(報告者の意見および今後の対応)
2.病院長は、当該報告を確認・検証し、診療担当者と連携して速やかに必要な対応を行うとともに、その内容を必要な機関(メーカー、農林水産省等)に報告をする。
3.ご家族様の許可の下、当該事象をHP上で報告をする。

重篤な有害事象の定義

当院では、以下の事象を重篤な有害事象として扱います。

・死に至るもの
・生命を脅かすもの
・永続的または顕著な障害・機能不全に陥るもの

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