うさぎのコラム

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うさぎのソアホックとは

  • 病気
2018.05.30

 

うさぎに多い足裏の病気・・ソアホック。うさぎのご家族の方は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
ソアホックとは、足の裏(特にかかとの部分)の毛が抜け、その脱毛部分の皮膚が赤く炎症を起こし、潰瘍になる状態のことを指します。日本語では飛節びらん、足底潰瘍などと呼ばれることもあります。脱毛によって皮膚が露出してしまうので、表面に傷や炎症を起こしやすくなり、重篤化すると痛みを生じることがあります。

1.どうやって気づくの?

普段からうさぎを抱っこしたり、触れ合う時間の多い方は、つるっとした脱毛に気づきやすいかもしれません。抱っこが苦手なうさぎの場合は、足の痛みが強くなり、引きずるようになるまでご家族の方が気付けない、ということもしばしばあります。極端に悪化しなければ死に至る病気ではないものの、うさぎのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を直接的に下げてしまう要因になるでしょう。はやめに対処することで重症化を防ぐことができる病気だからこそ、毎日うさぎと過ごす中で気になる事があれば病院にご相談ください。

2.原因

うさぎの足裏には、肉球がありません。そのため、皮膚に直接的に地面や床材があたってしまいます。そのため、軽度の摩擦でも毛がすれて抜けやすくなります。通年起こりうる病気ですが、特に季節の変わり目など換毛期などの毛が少なくなる期間はデリケートになります。
 
皮膚の摩擦を起こしやすい原因として
・固い床材
・水や尿による足元の湿り気、衛生的でない環境
・肥満による体重の負荷
・生まれつき足底の毛が薄い体質
・スタンピングをする事が多い
・歳をとりケージ内であまり動かず、同じ姿勢で足底をついていることが多い
・長い爪(爪が伸びていると体重がかかとにかかりやすいため)
 
などが挙げられます。

3.予防

ではどのようにソアホックを予防することができるでしょうか?

固い床材:
ご家庭のうさぎケージ、あるいは散歩をしているお部屋の床材はどのようなものですか?フローリングやケージの金網、プラスチックの板、目の粗いブランケットなどではないでしょうか?
足裏に負担のかからない床材の選択は、ソアホック予防において非常に重要なポイントです。おすすめは、滑りにくく、摩擦を起こしにくい物。たとえばジョイントカーペット(診察室の床材に使用中)やマイクロファイバーモール(お風呂場などでよく使われるにょろにょろした線維のマット)、かじり癖のないうさぎにはジョイントマットなどが理想です。ただし、治療の経験上、合う素材に個体差が多くあるようです。ぜひ色々な素材を試してみてください。

衛生的でない環境、水や尿による足元の湿り気:
うさぎが元気にケージの中で動いていると、水皿を蹴飛ばしてしまうことや、尿が環境中に散乱することもしばしばあるでしょう。目に見えないレベルでの不衛生な環境から、皮膚の感染症などを発症し毛が抜けやすくなってしまう事があります。こまめなケージのお手入れを心がけましょう。

肥満による体重の負荷:
足は体重を支える重要な部分です。そのため、体重が増加することは、足にかかる負担をも増やし、摩擦を起こします。軽やかな足さばきを保つためには適切な体重の管理が必要です。ペレットやおやつの与えすぎに注意しましょう。

スタンピング:
うさぎがイライラしたときにみせる、スタンピング。通称「足ダン」。ストレスを感じるときによくみせる行為ですが、その力強い足踏みも、着地のときに摩擦を起こします。なるべくストレスフリーの環境を提供してあげましょう。

4.治療

残念ながら上記の予防をどんなに心がけても、ソアホックが悪化してしまうこともあります。その場合には環境の工夫だけで改善しないこともありますので、早めに病院に連れて行きましょう。当院では、治療には皮膚炎に対する軟膏の塗布・内服の投与、摩擦を防止するためのバンデージなどがありますが、その子にあった適切な処置を一緒に考え、ご提案させていだきます。
 
さて、いかがでしたでしょうか?ご家庭のうさぎさんは気付かないうちにソアホックを発症していないでしょうか?いくつかの床剤を試してみたことはありますか?なかなか抱っこに慣れていないと、初期症状に気付きづらいかと思いますので、まずはご自宅で日常的に触れ合ってみてあげてください。その子にあったアドバイスをさせて頂きたいので、床材をご持参いただいても結構です。お気軽にご相談ください。

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