食欲不振の原因
いつもより食いつきが悪い、好きなものしか食べない、このような症状を食欲不振と言います。
食欲不振を引き起こす病気はさまざまです。そのため、他の症状との関連から原因を絞り込み、検査及び治療を行う必要があります。では、実際にはどのような病気が考えられるでしょうか。
消化管の鬱滞はストレス、不適切な食餌、被毛を含む異物が原因・発生要因となります。
ストレスには飼育環境の変化、温度・湿度、犬や猫など捕食動物の存在、及び病気の痛みといったものが挙げられます。食餌は果物、穀物、澱粉など、繊維質の少ないものや、ペレットを一気に食べる事で胃の鬱滞が生じることがあります。異物で最も多いのは被毛です。普段は被毛を便で排出できていても、なんらかの原因で蠕動(胃内容物を運搬するための筋肉の動き)が低下すると、食べたものと被毛が絡まり消化管の中で停滞してしまいます。被毛以外には紙、プラスチック、布、ゴム、乾燥豆類などが報告されています。
不正咬合は外傷、食餌の関与、遺伝、感染、老化が原因にありますが、中でも外傷と食餌が大きな原因とされています。具体的な外傷としては、暴れたときに顔を強打したり、ケージをかじったりすることで、歯根部に傷害が生じます。食餌は本来、牧草などを奥歯で何度もすりつぶすことで伸びていく歯を削っていきますが、すでにすりつぶして固めてあるペレットばかり食べていると、噛み砕く食べ方により歯が削られず、不正咬合を引き起こします。
感染症は下痢、皮膚病および神経症状を引き起こします。下痢を引き起こす代表的なものとしては、クロストリジウム(細菌)や蟯虫、コクシジウム(寄生虫)があります。また、皮膚病はトレポネーマ(細菌)や皮膚糸状菌(カビ)などがありますが、1~2割はツメダニ、ヒゼンダニおよびノミ(寄生虫)といわれています。神経症状は、内耳の異常を引き起こすパスツレラ菌(細菌)や小脳の炎症を引き起こすエンセファリトゾーン(微胞子原虫)の感染があります。
他に、子宮疾患(子宮腺癌、子宮蓄膿症など)、体表腫瘍、代謝性疾患(肝臓、腎臓など)及び骨折・脱臼といった病気も食欲不振を引き起こします。
このように、食欲不振引き起こす疾患は数多く存在し、疾患が他の疾患を併発させることもあります。そのため、原因を絞り込むには、ご家族のお話が大きなヒントになります。そのヒントから、身体検査、血液検査、画像検査(レントゲン・超音波検査・無麻酔CT)などの検査を組み合わせ、適切な治療を行いましょう。
当院でも、このような症状で来院されるうさぎが多く、夜間の救急外来でも同様のご相談を頻繁に受けます。半日便がでていない、食欲が落ちているなどの消化器症状がある場合は、過度な「様子見」をせずに早めに病院を受診しましょう。
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