犬のコラム

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犬とストレス① ~7つのサイン~

愛犬家のみなさま、こんにちは。
みなさまは、ふだん愛犬とのコミュニケーションをどのようにとっていますか?お話ししたり、一緒に遊んだり、お散歩したり、日々のコミュニケーションで、わんちゃんとの信頼・愛情をたっぷりと育んでいらっしゃる事と思います。そんな楽しい日常の中でも、「この仕草はどういう意味なの?」「具合が悪いのかな?大丈夫かな?」と気になる時はありませんか?
 
『人間の言葉』の代わりに、彼らは、身体を使って『メッセージ』を日常的に発信しています。きっと、そんな『メッセージ』への気付きがあるからこそ、気になることがあるのではないでしょうか。今回は、わんちゃんがストレスのメッセージを伝えているかもしれない7つの仕草をご紹介します。
 
わんちゃんが抱えているストレスは、軽度のものから重度のものまであり、そのメッセージの伝え方も様々です。そして、それはストレスを感じている瞬間だけでなく、「不安な気持ちを落ち着け、和らげるための日常の行動にみられます。つまり、日常でみられるあのかわいい仕草が、ストレスを伝える『メッセージ』かもしれないのです。もちろん、ご紹介する仕草が必ずしもストレスが原因でない場面もありますし、気にしすぎる必要はありません。でも、この小さなサインは、ストレスや異変なのかもしれないと心に留めておくことで、わんちゃんとのより深い信頼関係が気付けるのではないかと思います。みなさまが愛犬とより親密なコミュニケーションづくりをするためのお役に立てたら幸いです。

耳が外側か後ろに下がっている

「しゅんとした顔」と表現すると分かりやすいかもしれません。立ち耳・垂れ耳に関係なく、耳の付け根や、人間でいう「こめかみ」あたりに注目してみてください。例えばお散歩中、大きな声で話しながら子供が近づいてきた時、四肢はすくっと立ってそちらを嬉しそうに見ているようでも、耳が後ろに下がっていませんか?このような動作がある時、そのわんちゃんは不安や恐怖を感じていることがあります。この表情は人間に例えてもわかりやすい代表的なものなので、多くの方が見たことがあるでしょう。

ペロペロと舌を出す・よだれを垂らす

犬は、興奮時、食事が目の前にある時以外にも、ストレス下でよだれが増えたり、舌舐めずりをすることがあります。普段は食事の前に見せてくれるかわいいポーズですが、環境が変わったときには同じポーズでもまったく意味が違うということがある、という代表的な仕草です。何か楽しみなことを期待できる状況でなく、食事も関係のない時に(例えば車で移動をしていたり、来客の折りなど)このような様子が見られたら、それは、わんちゃんがナーバスになっているサインかもしれません。

キョロキョロする

頻繁に多方向に目線を送る動作です。時に不安の表れであることがあります。人間で例えると、お化け屋敷や怖い夜道で警戒しながら歩いている人の目つきに似ているかもしれません。周りの状況を確認したり、新しい場所に警戒している時に見られます。

あくびをする・眠そうにする

わんちゃんたちは、私たちに比べると、かなり長い時間お家で眠っているかと思います。
もちろんリラックスした環境で眠くなることは問題ないし、基本的には長く寝ていることを心配する必要はありません。ただし、疲れている時でなくてもあくびをする、というのもよく見られる緊張のしるしです。さらには、恐怖を感じている場合に、とても初期のサインとして、眠そうにみえることがあります。目を細めて、動きが遅くなったりするもの、きっかけがあれば数秒以内にハッと起き上がるでしょう。

ハアハアする

気温が暑い・呼吸が苦しい・喉がかわいた・体温が高いなど、パンティング(舌をだしてハアハアと呼吸をする様子)は様々な場面で見られます。不安な気持ちを感じている時も同様です。ただし、体温の上昇や呼吸が苦しいなど早急に対応する必要があるケースもあります。様子がおかしいと感じたらすぐに病院にご相談ください。

食べない

入院中・治療中・体調不良の兆候として食欲不振があります。私たちも、自宅で家族と食べる食事や、元気な時に選んで行く外食ではおいしく感じても、知らない人に食事を突然さしだされたり、風邪をひいているときに味の濃いものを食べるのは辛いですね。いつもご飯をくれる人と異なる、場所が変わって不安、ご飯の内容がかわった、など些細な違いが、食欲に影響することがあります。

予想外の場所・タイミングでおしっこ・うんちをする

排尿や排便のトラブルは、病院でもよく聞かれる相談の一つです。みなさんも、ご自宅のトイレが騒々しいと落ち着いて用を足すことが難しいと思います。それと同じ様に、わんちゃんたちにとってもトイレは大切なパーソナルスペースです。室内でトイレに行く子にとっては、トイレの変化や家具の配置だけでも、(例えばトイレクレートのそばに冷蔵庫があるなど)排泄に影響が出る場合もあります。病院であまりにも緊張してしまい、診察台の上でうんちをしてしまう子も珍しくありません。トイレに失敗してしまった時、一度わんちゃんが感じそうなささいな変化が何か思い当たるか想像してみると、意外な理由があるかもしれません。
わんちゃんは、日常生活の様々な仕草から、私たちに『メッセージ』を発信していますね。
 
 
今回は、ストレスを感じている「可能性」がある仕草を紹介しましたが、これらが見られることが、必ずしもネガティブな意味があるわけではありません。その子らしい仕草や性格、個性は、私たち人間と同じように様々ですから、いつも一緒に過ごしているご家族が、わんちゃんたちにとって一番の理解者に違いありません。日々楽しく共に暮らすなかで、環境変化や突然のことに戸惑った時に上記の『メッセージ』を発信しているかもしれないということを少し心に留めてみてください。当院では、病気の治療・予防の取り組みだけでなく、ご家族様と大切な愛犬との日々のコミュニケーションづくりについても、サポートさせていただきたいと考えています。気になることがあれば、是非病院スタッフにご相談ください。
 
犬とストレス②  ~犬を連れておでかけするときに心がけてほしいこと~

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