犬の妊娠から出産まで
おうちのわんちゃんが出産を控えている間、私たちはいったいどの様なことに気を付けてあげたらよいでしょうか?また、事前の検査ではどの様なことが分かるのでしょうか?今回は、より安心して出産を迎えられるよう、妊娠から出産までの流れをご紹介していきたいと思います。
*出産が始まっているけれど、なかなか生まれない!という場合は、「犬の出産 これは難産?帝王切開は必要?」をご参照ください。
交配日から出産までの妊娠期間は、おおよそ63±7日と言われています。
妊娠10〜20日目には、ご飯の好みの変化や、吐きがみられることがあります。
妊娠30〜40日目で乳腺が張りはじめ、食欲や体重の増加がみられます。ご飯の量もこの時期から徐々に増やしていきます。
妊娠50日目前後になると、おなかの張りが顕著になり、胎動が分かるようになります。お母さんによっては乳汁が分泌されることも。
出産2、3日前になると、暗い静かなところを探したり、床を掻くような巣作り行動を始めます。
分娩の6~18時間前になると、体温が普段の基底値から2~3℃低下(小型犬:35℃、中型犬:36℃、大型犬:37℃程度)するため、出産予定日の1週間程度前から 1日2‐3回体温を測るようにすることで、出産のタイミングを予測することができます(まれに体温が下がらない子もいるので注意)。
出産はとてもデリケートなものですので、特に神経質な子では、その子の落ち着く静かな環境を作ってあげることも大切です。
・超音波検査
妊娠20日以降より、超音波検査にてお腹の赤ちゃんが確認できます。また、分娩予定日が近い検診では、赤ちゃんのお腹の中での位置や心拍数などを確認し、元気に育てているか、難産が予想されるかの判断に役立てます。
・レントゲン検査
妊娠45日目になると赤ちゃんの骨がしっかりしてくるので、レントゲンで確認できるようになります。お腹の赤ちゃんへのX線の影響を考え、基本的には妊娠55日以降に1回のみ検査を行います。レントゲン検査によって、赤ちゃんの頭数や胎位、産道の広さ等から難産の予測をすることができます。
検査を行うことで、何頭生まれるか、どの程度リスクがあるか等を事前に把握することができるので、お母さん赤ちゃんともに、無事に出産を終えるための大きな手助けとなります。場合によっては、計画的または緊急的な帝王切開が必要になることもあります。
・分娩の開始
犬では体温が下がり始めてから長くても24時間以内、最低体温からの上昇が見られてから12時間以内には最初の分娩が始まります。
陣痛が始まり徐々にリズミカルになった頃、赤ちゃんが生まれます。
透明な胎水が排出された後(=1次破水)、赤ちゃんが生まれてくると、赤ちゃんを覆う膜(胎膜)をお母さんが破り(=2次破水)、へその緒を噛み切ります。
お母さんが背中を強く舐めることで呼吸を促すので、赤ちゃんがきちんと鳴くかを確認しましょう。
※もし鳴かない場合は人の介助が必要になります。赤ちゃんを包む胎膜を破り、頭部を下げて鳴き始めるまでタオルで優しく身体をさすります。
その後、次の赤ちゃんを30~60分間隔で出産します。
・分娩後
分娩後には緑色の胎盤が排出されます。通常は毎回赤ちゃんと一緒に、あるいは赤ちゃんよ15分前後遅れて排出されますが、生まれた赤ちゃんが多い場合には最後にまとめて出てくることもあります。
もしスムーズに分娩が進まない場合は?どんな子が難産になりやすいの?帝王切開はどのような時に考慮されるの?そういった疑問はこちらをご参照ください。
「犬の出産 これは難産?帝王切開は必要?」
グループ病院一覧
日本動物医療センター
東京都渋谷区本町6-22-3
03-3378-3366
JAMC(日本動物医療センター)グループの基幹病院です。先進医療、365日24時間対応。24時間体制での治療・看護。CT完備。毎週水曜日は休診(救急は常時受け入れます)。
当院は年中無休で24時間救急診療に対応しています。
ご家族様と動物たちへ「常に安心」をお届けします。
日本動物医療センターグループ本院
東京都渋谷区本町6-22-3(新宿から1駅)
通常電話受付:9:00〜20:00(水曜日休診)
対応:i-pet損害保険、アニコム損保、ペット&ファミリー少額短期保険。各種クレジットカード
Japan Animal Medical Center 6-22-3 Honmachi Shibuya-ku, Tokyo
(c) JAPAN ANIMAL MEDICAL CENTER All Rights Reserved.