うさぎと話そう(うさぎの感情表現)
うさぎを初めて飼ってみようと思った時ふとよぎる印象は「犬と違って懐かない?」「無表情で何を考えているかわからない」ではないでしょうか。でもこれ、一度うさぎを飼ったことのあるうさぎ先輩たちは口を揃えて言います。「全然わかってないなぁ!」と。
うさぎには声帯がないため、犬や猫のように声を出して鳴くことがありません。鳴かない分限られた表現方法の中で、全身を使ってめいっぱい私たちに気持ちを伝えようとしています。むしろ感情表現は豊かな動物なのです。そんな彼らのいろいろな顔を知るためには、よく観察し、仲良くなるしかありません。いえ、仲良くしてもらう、という方が正しいでしょうか。代表的なうさぎの表情やしぐさや観察ポイントをご紹介します。
目
まずは目の大きさです。ほとんどの場合うさぎは目を開けていますし、草食動物である彼らは敵なのか味方なのかをいつも察知し身構えてなくてはならないため目は大きめです。そんな中でも普段よりもさらに大きく見開いて白目が見えているときはとてもびっくりして警戒している状態です。それとは対照的に、目を細めているときはリラックスした証拠です。うさぎは目を開けたまま眠りますが、安心しきっていたり深く寝ている場合、目をつむることもあります。
鼻
うさぎは鼻の表情も豊かです。ピクピクと早く動かしているときは情報をたくさん集めたい時、警戒している時です。逆にゆっくり動かしているときはリラックスを示しています。欧米ではこの可愛い鼻の動きを「鼻ウィンク」とも言うそうです。
鼻をブーブー鳴らすこともあります。小さく短い音の時や威嚇行動を伴っている時は気が立っている時、攻撃的な時なことが多いです。ぷぅぷぅとやわらかい音を出す時は嬉しくて感情が高まっていたり甘えている時です。
耳
うさぎの象徴とも言える長い耳は優秀な集音器で3km先の音も聞こえると言われています。耳をピンと立てれば、情報を必死に収集している時間です。左右の耳を別々に動かすことも可能でいずれの場合も、警戒・緊張している時です。また、耳は汗腺のないうさぎの体温調節の役割をになっています。暑い時にも耳を立てて熱を発散させています。耳を寝かせている時はリラックス、安心を示しています。
歯
頭を撫でていると感じやすい「ゴリゴリ」と言う歯ぎしり。嬉しくて気持ち良い時に行います。ただし一人でお部屋の隅でうずくまって「ゴリゴリ」している時はお腹などが痛かったり、強いストレスを感じている時なので要注意です。早めに病院に連れて行ってあげてください。
あごスリ
気付いたら、お部屋のものに顎を〝スリスリ″している時はありませんか?これは、初めて触れるものやお気に入りのものに匂い付けをする行動です。うさぎには顎下に臭腺があり、マーキングをする事で、自分の縄張りを主張しています。〝スリスリ″は、好意的な行動が多く、「もっと遊んで!」とうさぎが歩み寄っている可能性が高いです。これが進むと、撫でている手を〝ペロペロ″してくれる時があります。これこそうさぎにとって安心できる存在となった証拠であり、究極の愛情表現といえるでしょう。
足ダン
スタンピングとも言います。後肢を使って床をダンダンと踏んで音を鳴らす行動です。巣穴に潜んでいる仲間に「敵がきたぞ、危ないぞ!」と地面を叩いて警戒を伝える動作です。ペットのうさぎの場合は怒っている時が多いです。「もっと遊んで!」「美味しいおやつちょうだい!」などでしょうか。ただ怒っているというだけでなく、身の危険を感じている時の行動でもあるため、原因を取り除く必要があります。環境中の音や匂いが、うさぎを刺激していないか確認しましょう。「寂しくて死んでしまう」事はないですが、ストレスに弱い動物である事を必ず覚えておいて下さい。
うさキック
爪切りなどの後に「嫌だった!」と言うことを身体を使って表す代表的なしぐさです。大げさに後肢を蹴り上げて不満をぶち巻きながら離れて行きます。病院では治療後にこのしぐさを見せられることが多く、ごめんねと切ない気持ちになります。
うさパンチ
ケージに手を入れようとした際などに揃えた両前肢でパンチします。優しそうな外見とは裏腹に、こんな攻撃的なことをする子もたまにいます。縄張り意識が強い子や気が強めの子に多いです。うさぎは上下関係がはっきりしているので、飼い主側がちょっと下に見られてしまっている可能性もありますね。
人の手の下に頭を入れてくる
普段から撫でてあげていることが多いと、「撫でて♡」と自ら人の手の下に頭を入れておねだりをしてきます。鼻でくいくいと手を突いてアピールしてくることもあります。うさぎはなでられるのが大好きです。ぜひ期待に応えてあげてたくさんなでてあげてください。さらに関係が深まるでしょう。
箱座り
手足を体の内側にしまい込む姿勢です。最も一般的な寝姿勢、くつろぎ姿勢です。このまま頭を床にぺたりと下げることもあります。一見箱座りに見えても手をしまってない場合は、いつでも動けるようにと少し緊張している時です。飼い初めなどの慣れてない頃に多い姿勢です。
横寝
足を投げ出して横になる寝姿勢は本当にリラックスしている状態です。すぐに逃げられない姿勢かつ一番弱いお腹を見せる姿勢は完全に安心している証拠です。足を投げ出してフローリングなどにお腹をべったりつけている時は体温が暑く、体を冷やそうとしている場合もあります。耳も熱くなっているか確認し、熱ければ適切な温度に調節しましょう。
信頼関係ができると、自然とうさぎと話せる事が増えてゆきます。環境に慣れるスピードはさまざまですが、ある時ふいに表情が和らぎ、彼らの方から鼻で〝ツンツン″と話しかけてきます。うさぎはとてもマイペースな生き物です。名前を呼ばれても知らん振りしたかと思えば、「今、撫でて欲しいんですけど?」と言わんばかりの表情で、横について離れない時もあります。一緒に生活したものにしかわからない多くの表情を見せてくれます。
うさぎは草食動物ゆえに、本能的に弱った身体を隠す習性を持っています。他の動物よりも我慢強く、生死に関わるくらい耐えきれなくなってから不調を示します。不調を簡単には表さない分、私たち家族は日頃からよく観察をしなければなりません。普段の何気ないボディランゲージをいかに感じ取れているかが、ここで試されるのです。
実際に、病院の問診でも、ご家族の言葉をとても重要視します。なぜなら、診察中の様子だけでは、判断が難しい事があるからです。いつもと違う環境で警戒心が生まれ、本当は具合が悪いのに機敏な動きをとる子も珍しくありません。その子の性格や普段の様子を教えてもらうと共に、気になる行動がある場合は、家で動画を撮っておくと良いでしょう。
こうして考えてみると、〝うさぎと話す″事は=〝健康で長く一緒に居られる秘訣″なのかもしれません。実はうちの子、嬉しいとこんな動きをするの!怒っているとすぐわかっちゃう!など、病院だけでは見られない可愛いお姿、ぜひスタッフにも教えてくださいね。
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