うさぎの骨折
うさぎの骨は、骨皮質(骨のうち表層を作っている部分)に薄い骨を持つのが特徴です。
体重に対して骨の占める割合を比べると、人間は18%、犬は14%、猫は13%に対し、うさぎはなんと7%しかありません。ジャンプ力の高いうさぎの骨がいかに軽量化されているかがわかりますが、それと同時にとても繊細で骨折を起こしやすいということに注意しなければなりません。
・高い場所からの落下、着地の失敗
・人間に踏まれる、蹴られてしまうなどの事故
・飼育環境に関連する事故 →ケージやドアに挟まる、すのこに肢を引っ掛ける、絨毯に爪をひっかけるなど
・保定に際しての事故 →抱っこを嫌がり暴れる、跳ねるときに上から押さえつけてしまうなど
主に上記のような理由が多く見られます。筋肉量に対して骨の量が少ないため、自分の筋力(いわゆる足ダンでも)で骨折を起こしてしまうことがあります。また、病気(上皮小体機能亢進症や骨粗しょう症、腫瘍など)に付随して起こるものもあるため、全身検査を要することもあるでしょう。
うさぎでは、脊椎(特に胸椎の終わり~腰椎)、後肢(脛腓骨、大腿骨)、前腕(橈尺骨)での骨折が多くみられます。四肢の骨折は肢の挙上や跛行の症状がよくみられ、脊椎の骨折により神経の損傷が起こると、下半身の麻痺や排尿障害が生じることもあります。きっかけとなることが不明であっても、普段と違う歩き方や動きが少ないと感じるときには、速やかに病院を受診しましょう。
病院では、問診や一般的な身体検査のほかに、神経学的検査(体の反射など神経の働きを調べる検査)やレントゲン検査、CT検査などを行う可能性があります。
症状に合わせて検査内容をご提案致します。
骨をピンやプレートで固定する手術、バンテージでの固定、ケージレスト(動きを制限すること)などがあります。骨折した部位や受傷部位の状態、うさぎの年齢や一般状態などにより、どの治療方法を取るかをご家族様と相談しながら決めていきます。
事故を防ぐためにご家族が気を付けられることは、
・正しい触れあい方 抱っこの仕方をマスターする
・うさぎを高いところに乗せない
・ケージ内の段差をなるべくなくす →中にはケージ内のロフトやトイレの段差で骨折してしまう子もいます。
日頃から運動も大切ですが、高齢の子や病気やケガでうまく動けない子、臆病な性格の子などには注意が必要です。その子に合った環境づくりを心がけましょう。
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