「保護犬」を迎える(JAMC宮古島シェルタークリニックより)
昨今、新しく犬を迎える際に「保護犬を」という選択をされるご家族が増えてきていることはとても喜ばしいことです。ただ、「保護犬」を家族として迎え入れる際に性格上の問題があるのではないか?病気を持っているのではないか?などご不安な点もありなかなか新しく迎え入れるのに踏み切れない方も多いのではないかと思います。
今回は「保護犬」を迎えるにあたって知っておきたいこと、「保護犬」を迎えてからの実体験をお話ししたいと思います。
動物愛護センターや保健所には迷子犬や様々な事情から飼育ができなくなってしまった犬たちが持ち込まれています。
また、地域によっては飼い主がいなく、繁殖を続ける野良犬も存在し、捕獲後に保健所に収容されます。
保健所に収容され、保護されずにいる犬たちはのちに殺処分を受けてしまうのです。このような状況から地域の保護主さん※により保護された犬たちのことを「保護犬」といいます。
※保護主さん:犬を保護した人物のことを言い、保護した際の犬の責任を持つ者のこと
*JAMCグループの保護犬活動の場合
JAMCグループの保護犬活動は現在、主に宮古島と連携して行っております。
現地の宮古島動物病院、JAMCグループの麻布十番犬猫クリニック宮古島分院とJAMCシェルタークリニックやJAMC本院が連携を取り、安心・安全に新しい家族のもとに「保護犬」たちが迎えられるようサポートしております。
①保健所に飼い主がいない犬もしくは飼うことのできなくなってしまった犬が収容
②殺処分の判断がされてしまう前にその地域の保護主さんが保護
③現地の宮古島動物病院や麻布十番犬猫クリニック宮古島分院にてしっかり身体検査及び必要な予防医療や治療を実施
④宮古島から空輸ボランティアさんや東京の保護主さんのご協力のもと、JAMCシェルタークリニックへ
⑤譲渡先までの間、JAMCシェルタークリニックにて一次預かりをし、その間に何か異常があったり、宮古島における診療で治療が必要と判断された際は追加の検査や治療を行う
⑥自分の家族の性格や生活スタイルあっているかどうかなど、東京の保護主さんと相談し一度トライアルへ
⑦大きな問題なく、お互いに幸せな生活が送れると判断された場合は無事家族の一員に
ほかにもさまざまな取り組みが全国で成されていると思いますが、当グループでは上記のような流れで「保護犬」が家族の一員になれるようサポートしております。
とっても元気で健康的な「保護犬」が多いですが、性格は十犬十色です。
やんちゃな子もいれば、緊張屋さんな子もいますが徐々に人馴れしてくれる子が多い印象です。
ただ、ペットショップやブリーダーから迎え入れた犬と同様に病気(先天性、後天性)を抱えている子もいます。
過ごしてきた環境からその地域特有の感染症を患っていたり、けがをしていたり、抱えている問題はさまざまです。※
※すべての「保護犬」が問題を抱えているわけではありません。
万が一、迎え入れた「保護犬」が病気を抱えていたら。。そんなご不安なお気持ちもあるかと思います。実は私もそんな不安がありながらも良いご縁があり、「保護犬」を迎え入れることとなりました。今はとても楽しい日々を一緒に送っています。
~迎えるまでのストーリーとその後の生活~
当時おそらく3カ月齢の子犬(女の子:後にトッティと命名)が宮古島の保健所に収容されており、現地の保護主さんが引き出されていました。
健康チェックおよび初期予防医療を行っている中で、里親候補がいないということをお伺いしたのもありますが何かフィーリングが合ってしまい。その日から1週間自宅にトライアルという形で迎え入れてみることとなりました。
トイレを覚えてくれるか、鳴きが激しくないか、大事なものをガジガジしないか、何か感染症を患っていないか。。。不安な面は多々ありましたが、それ以上にワクワクした気持ちが勝っていました。
共に生活していく中で、トイレを失敗してしまったり、大切にしていたサンダルや財布をかじられてしまったりという場面もありましたが、それも子犬を飼う前に覚悟する必要があること。
それ以上に心配であったのは血液検査により血小板減少症を患っていたことです。宮古島の「保護犬」では血小板数が低めの子が多く、通年を通して暖かい気候であることからマダニによる感染症なども多いことで知られています。
最終的にはマダニを介した感染症からくるものと考え治療を受けた結果、現在は正常値に戻り元気に過ごしています。
今はトッティと私、双方にとって幸せな時間が築けているのではないかと思います。
トッティにとっては愛されながら安心できる環境で生活でき、私にとってはたくさんの癒しと楽しい時間を提供してもらい今では「最高のパートナー」となっております。
JAMCグループの保護犬活動が今後多くの保護犬たちにとって幸せな生活を送るための助けとなること、そして「保護犬」がたくさんの方に笑顔や幸せを運んでくれる存在になってくれることを願っております。
また「保護犬」への理解や事前の心構えとして、これから何回かにわたり、主に感染症についてお話していこうと思います。
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