犬のコラム

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高齢犬との生活:もっと健やかで快適に

投稿日 2025.02.27

年齢を重ねるごとに深まる絆――高齢犬との暮らしは、特別な思い出を積み重ねる大切な時間です。若い頃の元気いっぱいな姿から、ゆったりとした歩みへと変わっていくその姿に、愛おしさを感じる瞬間も多いでしょう。しかし、年齢とともに体や心に変化が訪れるのは自然なこと。その変化を理解し、ケアの工夫を取り入れることで、愛犬がより健やかで快適な毎日を送れるようサポートすることができます。

今回は、高齢犬の特徴や日常ケア、介護のポイントについて詳しく解説します。

高齢犬の特徴

高齢犬は、一般的に7~8歳を過ぎると老化のサインが見られることが多くなります。以下のような変化が見られる場合があります。

1.運動量の低下
若い頃と比べて活動量が減り、散歩を短時間で切り上げたがることがあります。

2.感覚の衰え
視力や聴力が低下し、呼びかけに反応しづらくなる場合があります。

3.体重の変化
筋力の低下による痩せや、運動不足や代謝の低下による体重増加が見られることがあります。

4.関節の痛み
加齢に伴い、関節炎などの痛みを抱えることが増えるため、動きがぎこちなくなることがあります。

日常ケアの具体的な注意点

高齢犬が快適で健康的な毎日を過ごすためには、日常ケアの細部に気を配ることが大切です。ここでは、さらに具体的な日常ケアの方法をご紹介します。

1.運動の工夫
高齢犬にとって運動は健康維持に欠かせませんが、無理のない範囲で行うことが重要です。

-短時間の散歩を心掛ける
1回の散歩は15~20分程度を目安にし、疲れた様子が見えたらすぐに切り上げましょう。

-足腰への負担を軽減する散歩ルートを選ぶ
坂道や階段が少ない平坦な道を歩きましょう。芝生や砂利道など、足に優しい路面を選ぶこともポイントです。

-マッサージや軽いリハビリ運動
運動を始める前に(痛みが生じないように)全身を大きくさすってあげるようなマッサージや、関節に負担をかけないストレッチも有効です。病院に相談して、日常生活に取り入れてみましょう。

2.食事の工夫
加齢による代謝の低下や味覚の変化に対応する食事管理が必要です。

-フード選び
高齢犬用フードを選択し、消化に良いタンパク質や関節ケア成分が含まれているものを選びましょう。必要カロリー量も若いころと変化してきます。体重の変化が気になる場合は、是非こちらも参考にしてみてください。 https://jamc.co.jp/calc_01/

-食欲が低下している場合の対策
以下の工夫を試してみてください:
– フードを温めて香りを引き立たせる。
– ウェットフードをドライフードに混ぜて食べやすくする。
– スープや出汁を少量かけて食欲を刺激する。

-食器の高さを調整
高齢犬は首や背中に負担をかけずに食べられるよう、適度な高さの食器台を使用すると快適に食事ができます。

3.生活環境の整備
高齢犬が安全で快適に過ごせる環境作りは、日常ケアの基本です。

-床の滑り止め対策
関節や筋力が衰えた高齢犬にとって、滑る床は転倒やけがの原因になります。滑り止めマットやカーペットを敷くことで足腰への負担を軽減できます。爪切りや足裏の毛のケアもこまめに行いましょう。パッド(肉球)に貼るタイプのすべり止めもあります。

-段差の解消
ベッドやソファへの昇降時に使用できるスロープやステップを用意し、ジャンプを避けるようにしましょう。

-快適な寝床の提供
高齢犬用の低反発マットレスや暖かい素材のベッドを選び、関節への負担を軽くします。季節に応じて夏は通気性、冬は保温性を重視します。人の通行が多いところだと、落ち着いて休めないかもしれません。場所にも配慮しましょう。

4.定期的な健康チェック
病気の早期発見のため、体調管理を徹底しましょう。

-日々の観察ポイント
– 食欲や体重の変化。
– 毛艶や皮膚の状態(かゆみやフケなど)。
– 排泄の回数や状態(軟便、血尿、頻尿など)。
– 歩行時の違和感や足の引きずり。
– 口や耳、毛の匂いや分泌物(汚れなど)

-ホームケアの工夫
– できれば毎日ブラッシングを行い、毛玉や皮膚の異常をチェックします。
– 週1回程度、爪切りや足裏の毛のカットを行い、耳の中も確認します。
– 歯磨きを習慣化し、歯周病予防に努めます。ブラシが難しい場合は歯磨きシートやデンタルガムを利用するとよいでしょう。

5.精神的ケア
高齢犬は環境や体調の変化に敏感になるため、精神的なサポートも重要です。

-スキンシップを増やす
優しく撫でたり、声をかけたりすることで、安心感を与えられます。

-刺激を与える遊び
過度な運動は避けつつ、知育トイや簡単なおもちゃで脳を活性化させます。

-孤独を避ける
一人で過ごす時間が長くならないよう、家族と一緒に過ごす時間を増やしましょう。

6.病気予防と治療の継続
高齢犬は病気のリスクが高まるため、予防と治療を計画的に進める必要があります。

-定期的な健康診断
年に1~2回、動物病院での健康診断を受けることで、内臓疾患や腫瘍などの早期発見が期待できます。進行を予防できることもあるかもしれません。

-疼痛管理
関節痛などがある場合は、適切な鎮痛薬やサプリメントを使用することで痛みのない生活サイクルを作ることができるかもしれません。

高齢犬との暮らしは、「完璧なケア」を目指すのではなく、愛犬のペースに寄り添いながら楽しむことが大切です。年齢を重ねた愛犬が見せる何気ない仕草や、そばにいるだけで伝わる安心感――それだけで十分な幸せを感じられるはずです。

少しずつ工夫を取り入れながら、無理をせず、楽しみながらケアを続けていきましょう。不安なことがあれば専門家に相談しながら、肩の力を抜いて愛犬との時間を大切に。大切なのは、「一緒にいる」その瞬間を楽しむこと。
新しい思い出を作りながら、穏やかで愛情あふれる日々を過ごしていきましょう。

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