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猫がトイレに何度も行くけれど…おしっこが出ない? ~猫の尿路閉塞~
投稿日 2025.08.20
ある日、猫が何度もトイレに向かっていることに気づく。 砂をかく音はするけれど、出てきたときに尿の形跡がない。そんなとき、「膀胱炎かな? それともイライラ?」と迷われるご家族は多いと思います。 しかしこの背景には、数時間で命に関わる「尿道閉塞」が隠れていることもあります。
尿道閉塞とは、膀胱から体の外へ尿を運ぶ通り道が、結石や結晶、炎症、粘液などで塞がってしまう状態です。 特にオス猫は尿道が細く長いため詰まりやすく、完全に塞がると半日も経たないうちに危険な状態に陥ることもあります。 尿が出ないと、膀胱がパンパンに膨らむだけでなく、本来尿中に排泄しなければならなかった老廃物やカリウムが血液中に急速に蓄積し、心臓や腎臓に重大な障害を引き起こします(急性腎不全)。
救急では、「朝まで様子を見ようと思ったら、先ほどからぐったりして動けなくなった」というケースも珍しくありません。 また、尿道閉塞で来院する猫の中には、「おしっこが出ていない」ことを主訴としていない子もいて、嘔吐やぐったりした様子で連れて来られる場合があります。 そのため、猫の排尿事情には日頃から十分な注意が必要です。
1 尿路結石・結晶(ストルバイト、シュウ酸カルシウムなど) ミネラルバランスの乱れや尿pHの変化でできやすくなります。 2 膀胱炎による炎症と粘液の固まり 細菌感染やストレス性膀胱炎でも尿道が詰まることがあります。 3 尿道の先端の狭窄や奇形 先天性や過去の外傷によって起こることがあります。 4 腫瘍やポリープ 中高齢の猫ではまれに腫瘍が原因になることもあります。
何度もトイレに行くのに尿がほとんど出ていない、トイレで長くしゃがんでいるのに排尿できない、お腹が固く張っている…。 こうしたサインに加え、元気や食欲の急な低下、嘔吐、ぐったりして動かないなどの症状が出ている場合は、すぐに動物病院に連絡してください。 症状が進んでしまうと、救命処置が難しくなることもあります。
「おしっこが出ているか分からない」場合でも
ご家庭では、尿が出ているかどうかを正確に判断するのは意外に難しいものです。 少量ずつは出ているが見た目で分からなかったり、砂が固まらず量が不明だったり、多頭飼育で誰のおしっこか分からないこともあります。 それでも、“出ていない可能性”を前提に行動することが安全です。 尿道が完全に閉塞している場合は時間との勝負であり、「大丈夫かもしれない」より「もし危険だったら」を優先して動くことが、命を救う判断になります。
受診や電話相談の際には、最後に正常におしっこをした時間、尿の色や濁り、トイレの回数や滞在時間、元気や食欲の有無、嘔吐の有無、お腹の張り具合などを伝えると、診断がスムーズになります。
1 水分をしっかり摂らせる 常に新鮮な水を用意し、ウェットフードなどを活用して水分をしっかりとることで尿を薄め、結石や結晶の形成を防ぎます。特に冬場や高齢期は脱水しがちですので意識して増やしましょう。 2 適切な食事管理 尿pHやミネラルバランスを調整した療法食や予防食の利用が有効です。 3 トイレ環境の工夫 清潔なトイレを複数用意し、猫が安心して排尿できる環境を整えます。静かで落ち着いた場所に設置することも大切です。 4 ストレスを減らす 環境の急な変化や運動不足は膀胱炎や排尿トラブルの引き金になります。 5 定期的な健康チェック 結石や膀胱炎の既往がある猫は、尿検査やエコー検査で早期発見を心がけます。
日本動物医療センター本院では、夜間・休日も可能な限り迅速な救急対応を行い、痛みの少ない治療を心がけています。 尿道閉塞の処置でも状況に応じて鎮痛や鎮静を行い、動物の負担と不安を減らすことを大切にしています。 また、診療後は原因の特定と再発予防の方法をご家族と一緒に考え、安心して暮らせる環境づくりをお手伝いします。
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