症例紹介

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抗がん治療について

投稿日 2025.07.17

抗がん治療について

抗がん剤

抗がん剤での治療方法は点滴、注射、内服薬と様々です。がん細胞を殺し、これ以上増えるのを抑えます。抗がん剤は種類が多くあり、がんの種類や悪さ、その子の体調によってどのお薬を使うか判断していきます。全身に対しての治療になるため転移してしまったがんにも効果がある唯一の治療法になります。ただし全身に届くからこその副作用もあります。下痢・嘔吐などの消化器症状、発熱などの副作用が起こることがあります副作用が起きた場合はその症状に対しての治療を加え、そのあとの抗がん剤の投与を再検討します。

 

<治療例>リンパ腫
犬と猫の血液のがんとしてリンパ腫や白血病があります。リンパ腫は症例数が多く、発生する場所によってタイプが分かれます。多中心型(リンパ節)、消化器型(胃・腸)、縦隔型(胸腔内)、皮膚型(皮膚・粘膜)、節外型(頭蓋内や腎臓などその他の臓器)
ー導入期は数か月週1~2週に1回のペースで抗がん剤の行い、腫瘍が縮んできたら維持期に入ります。抗がん剤の頻度や種類はその腫瘍の種類・進行スピード・その子の状態、副作用など状況によってその子にあった治療方法を選択していきます。リンパ腫は抗がん剤の治療反応は良く、長期的にコントロールができる事が多い一方で、早期に進行し悪化するものも存在します。

支持療法

腫瘍によって体におこる様々な症状を改善し生活の質の維持を目指します。がんを抱えた子たちのサポートです。

栄養療法

がんがあるときにみられる食欲不振・吐き気・下痢に対してお薬を使い、体の足りない水分に対して点滴治療をします。その子が食べやすいものを一緒に考え、お口から食べにくい場合はチューブなどを用いた給餌などを行います。またごはんを食べてもがんに栄養が取られてしまう場合は抗酸化作用のある食材など腫瘍に対してのメニューをいっしょに考えていきましょう。ご家族のサポートもとても大切です。

疼痛管理

悪性の腫瘍があるときに痛みを伴うことがあります。人が普段服用する痛み止めから麻薬の強い痛み止めまで様々な痛み止めがあります。その子の痛みや全身状態にあったお薬を使用します。おうちでご家族と過ごす上ですこしでも苦しみがないように痛みの治療を行っていきましょう。

わたしたちが獣医師としてできるかぎり多くの治療の選択肢を。そして動物とご家族がすこしでも苦痛なくいっしょにおうちで過ごせる時間を。ぜひご相談ください。

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