猫の健康管理における「心拍数」と「呼吸数」の重要性
投稿日 2025.02.19
最終更新日 2025.02.10
「最近、猫がいつもより静かだな」「呼吸が少し荒い気がする…」と感じたことはありませんか?猫は私たちに直接「体調が悪い」と伝えることができませんが、その体は確かなサインを発しています。その中でも、心拍数と呼吸数は、健康状態を知るための最もわかりやすい指標です。
特に猫は体調不良を隠す習性があるため、小さな異変を見逃さないことが大切です。心拍数や呼吸数を日頃から確認することで、病気の早期発見や予防につながります。この記事では、簡単にできる心拍数と呼吸数のチェック方法や、異常が見られた際の対処法をご紹介します。愛猫の健康を守るために、ぜひお役立てください!
測定の基本
・安静時に測定する
猫がリラックスしている状態で測定することが大切です。激しい運動後や興奮時では正確な数値が得られません。食後や日向ぼっこ中のタイミングが理想的です。
心拍数を感じる部位
①胸部
胸の左側に手を当てて、心臓の鼓動を感じ取ります。猫は小柄なので、指先で優しく触れるようにしましょう。
②大腿動脈
後ろ足の内側(付け根部分)を軽く触れると、動脈の拍動を感じられます。
ちょっと難しいかもしれませんが、呼吸に邪魔されないのでいったんわかると測りやすいです。足を触られるのが嫌な猫は無理をしないでおきましょう。
<測定方法>
1. 15秒間に感じた鼓動の回数を数えます。
2. その回数を4倍して1分間の心拍数を計算します。
例:15秒間に40回の鼓動を感じた場合、40×4=160回/分。
<健康な猫の心拍数>
通常の範囲:120~160回/分(安静時)
猫の年齢や性格、活動レベルにより若干の差がありますが、この範囲を大きく逸脱する場合は注意が必要です。
範囲内ではあっても、普段と大きく違う場合にも注意が必要です。
測定の基本
呼吸数も心拍数と同様に、安静時に測定します。猫が興奮したり、運動後では呼吸数が増加するため、正確な測定ができません。
呼吸数を感じる部位
猫の胸部や腹部が上下する動きを目で観察します。特に静かな場所で、猫が横になっているときが測定しやすいタイミングです。
<測定方法>
1. 15秒間に胸や腹部が上下する回数を数えます。
2. その回数を4倍して1分間の呼吸数を計算します。
例:15秒間に12回の動きを感じた場合、12×4=48回/分。
<健康な猫の呼吸数>
通常の範囲:20~30回/分(安静時)
呼吸数がこれを超えている(頻呼吸)場合や、著しく少ない(徐呼吸)場合は健康状態の異常を示している可能性があります。
範囲内ではあっても、普段と大きく違う場合にも注意が必要です。
心拍数の異常
1. 頻脈(心拍数が高い)
原因:ストレス、発熱、痛み、甲状腺機能亢進症、循環器疾患(心臓)、神経疾患など。
対処法:猫を静かな場所で安静にさせ、30分後に再度測定します。それでも高い場合は動物病院に相談を検討してください。
2. 徐脈(心拍数が低い)
原因:低体温、ショック、循環器疾患など。
対処法:体温を測定し、低体温の場合は毛布や湯たんぽで温めます。反応が鈍い場合やぐったりしている場合は、早急に動物病院に相談してください。
呼吸数の異常
1. 頻呼吸(呼吸数が多い)
原因:ストレス、呼吸器疾患、心不全、熱中症など。
対処法:猫を安静にさせ、呼吸が苦しそうな場合は動物病院へ連れて行きます。呼吸音が異常に大きい場合も注意が必要です。
2. 徐呼吸(呼吸数が少ない)
原因:低体温、ショック、神経疾患など。
対処法:猫を温めるなどの対処を行いながら、速やかに動物病院を受診してください。
以下のような症状が見られる場合は、すぐに動物病院に連絡、受診を検討してください。
1. 心拍数や呼吸数が異常なまま回復しない
安静にしても30分以上正常値に戻らない。もしくは安静にできずに興奮状態が続いている。
2. 呼吸や行動に異常がある
呼吸が浅い、速い、いつもと呼吸の状態が異なるまたは苦しそう。
横たわって動かない、反応が鈍い。
3. 他の症状が見られる
嘔吐、下痢、歯茎が青白いまたは紫色、食欲不振など。
1. 日常的な記録をつける
猫の安静時の心拍数や呼吸数を記録することで、普段の健康状態を把握できます。
異常があった際に、比較データとして役立ちます。また、動画などに寝ているとき(安静時)の呼吸の様子を記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
2. 快適な環境を整える
猫がストレスなく過ごせる静かで安心できる環境を作りましょう。温度や湿度の管理も重要です。
3. 食事と水分補給
栄養バランスの取れた食事と清潔な水を常に与え、健康をサポートします。飲水量の増減にも注意が必要です。
4. 定期健診を受ける
心臓や呼吸器疾患は早期発見が重要です。特に7歳以上の高齢猫では、年1~2回の定期健診を推奨します。
5. 適度な運動と遊び
適度な運動は、心臓や呼吸器の健康維持に役立ちます。猫のペースに合わせた遊びうたコミュニケーションを取り入れましょう。
猫の健康を守る上で、「心拍数」や「呼吸数」を日常的に確認することはとても大切です。しかし、心配しすぎて小さな変化に過剰に反応する必要はありません。特別な準備や道具は必要なく、リラックスした気持ちで何気なくチェックする習慣をつけるだけでOKです。
愛猫の健康チェックは、特別な時間を作るのではなく、日常の中で自然に取り入れるのがポイント。例えば、猫が休んでいるときにそっと観察してみるだけでも十分です。穏やかな毎日の中で、愛猫が元気に過ごしている安心感を得られることでしょう。
もし気になる変化があれば、慌てずに動物病院に相談を。日々のチェックを無理なく習慣にすることで、愛猫との時間をより安心で豊かなものにしていきましょう!
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