高齢猫との生活:年齢に寄り添うケア
投稿日 2025.03.06
「いつまでも一緒に健康でいてほしい」
そう願うご家族にとって、高齢猫との暮らしは特別な時間です。猫さんたちは、年齢を重ねるとともに体や心にさまざまな変化を迎えます。そんな変化を理解し、日々のケアに少しの工夫を加えるだけで、猫さんがより快適に過ごせる環境を整えることができます。
今回は、高齢猫に見られる特徴や、愛情たっぷりの日常ケアのヒントを具体的にご紹介します。「老い」に寄り添うケアを通じて、大切な時間をもっと豊かにするためのヒントを見つけてみませんか?
高齢猫は一般的に7~8歳頃から老化が始まり、11歳以上をシニア、15歳以上を高齢猫と呼ぶことが一般的です。以下のような特徴が見られることがあります。
1.運動量の低下
遊ぶ時間が減り、ほとんどの時間を寝て過ごすようになります。また、運動する範囲が減ってきます。前は食器棚の上が定位置だった猫さんが、ほとんど高いところに上らなくなったりします。
2.感覚の衰え
視覚や嗅覚、聴覚が低下し、注意力や反応が鈍くなることがあります。おもちゃなどへの興味が減ってきたり、食事の嗜好が変わったりするかもしれません。
3.食欲や体重の変化
加齢に伴う代謝の低下により、食欲が落ちる、または逆に食欲が増加しても体重が減ることがあります。若いころとの体格の変化がわかりやすくなってきます。
4.被毛や皮膚の変化
毛艶が失われたり、毛玉が増えたり、皮膚が乾燥しやすくなることがあります。様々な理由で毛づくろいが減ってきて気づくこともあるでしょう。
高齢猫が健康で快適な生活を送れるように、具体的なケア方法を以下にまとめました。
1.運動と環境の工夫
高齢猫は運動量が減るため、体を動かす機会を提供することが重要です。
・優しい遊びを取り入れる
若い頃のような激しい遊びではなく、猫じゃらしをゆっくり動かす、ボールを転がすなど、負担の少ない運動を行います。
・キャットタワーの高さを調整
高い場所への移動が難しくなるため、キャットタワーを低めのものに変更したり、ステップを増やして移動をサポートします。
・快適な休憩スペースを作る
日光が当たり、「静かで暖かい」場所を確保することで、猫さんが安心してリラックスできます。
2.食事の見直し
加齢に伴う栄養ニーズの変化に対応することが大切です。
・高齢猫用フードの選択
高齢猫向けのフードは、腎臓に優しい低リン・低ナトリウム設計や、消化に良いタンパク質を含むものが多くおすすめです。
若いころと必要なカロリーが変わってきている可能性があります。良かったらチェックしてみてください。
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・少量頻回の食事提供
一度に多く食べられない場合は、1日の食事を数回に分けて提供します。
・水分補給を促す
高齢猫は水分摂取量が減少しがちなので、ウェットフードを取り入れる、または水飲み場を増やして飲水量を増やしましょう。動きたがらない猫さんたちには部屋のあちこちにおいてあげてでも水分を積極的に撮ってもらってください。
3.被毛と爪のケア
高齢猫は自分でのグルーミングが難しくなるため、定期的なケアが必要です。
・ブラッシングの習慣化
毎日軽くブラッシングを行い、毛玉の発生を防ぎ、皮膚の健康状態をチェックします。
・爪のカット
運動量が減ることで爪が伸びやすくなるため、定期的に爪を切って巻き爪やけがを予防します。猫さんは爪を隠していて伸びていることに気づきづらいこともあります。
4.排泄環境の工夫
排泄環境が猫さんにとって快適であることが、ストレスを減らすポイントです。
・トイレ砂の見直し
高齢猫の肉球は敏感で、関節炎などをもっていると、よりトイレの砂のグリップや踏ん張りが苦手になってくると思われます。猫さんの好みにもよりますが、軽くてクッション性のある細かめの砂を選んでみましょう。
・トイレの見直し
高齢猫には、入り口が低いトイレや広めのトイレが適しています。猫砂のタイプも、また、寒さが苦手な猫さんたちに排泄をがまんさせないためにも、トイレを置く場所には注意をお願いします。
・トイレの清潔さを保つ
排泄物が残ったままだと猫さんがトイレを嫌がるため、こまめに掃除しましょう。
5.定期的な健康チェック
病気の早期発見・予防が健康寿命を延ばす鍵となります。
・体重や食欲の観察
こまめに体重を測り、増減がないかチェックします。食事量の変化や水の摂取量の増減も確認してください。
・歯の健康管理
歯周病が全身の健康に影響を与えるため、歯磨きを週1~2回行うか、デンタルケア用のサプリなどをお勧めします。
・動物病院での定期検診
年に1~2回の健康診断を受けることで、腎臓病や甲状腺機能亢進症など、加齢に伴いやすい疾患を早期に発見できます。
6.精神的ケア
高齢猫はストレスに敏感になるため、安心できる環境を整えましょう。
・優しい接し方
無理に抱っこするのではなく、猫がリラックスできるようそっと撫でたり、声をかけたりします。静かなスペースと時間を確保してあげてください。
・環境の変化を最小限に
新しい家具の導入や配置換えは猫さんにストレスを与える可能性があるため、リラックススペースは最低限確保して慎重に行いましょう。
高齢猫との暮らしは、これまで以上に「寄り添う」気持ちが大切になる特別な時間です。変化に敏感な猫たちには、ちょっとした気遣いと工夫が健康寿命につながるでしょう。
猫が見せる穏やかな表情、甘えてくる仕草、それはあなたの愛情がしっかり届いている証です。高齢猫の「今」を大切にしながら、一緒に過ごせる時間をさらに豊かで幸せなものにしていきましょう。
高齢猫との時間がもっと快適で穏やかになりますように
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