犬のコラム

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犬の緊急疾患:当院で多い病気10選

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ご自宅であなたの愛犬が、夜中に突然具合悪くなったり、いつもと様子が違う時、かかりつけの先生とも連絡がつかず、お困りになったことはないでしょうか。
当院は24時間365日診療している動物病院。日々たくさんの動物が突然の異変を理由にご来院されます。
そこで日々の診療で出会うことが多い緊急疾患についてご紹介させていただきます。

普段特に気にしていない動きや症状が時に危険な病気のサインであることがあります。

1.肺水腫

肺水腫とは心臓のポンプ機能が低下することにより肺に水が溜まってしまう病気です。心臓病を持病としてもっている犬は薬をあげ忘れた時や心臓病の悪化時に特に注意しなければいけない病気です。
症状としては呼吸数が多く肩で呼吸して辛そうな様子や舌の色が紫になります。
肺に溜まった水を利尿剤や点滴で抜くことで症状がよくなりますが、非常に緊急性の高い病気です。

2.異物・中毒

犬にとって摂取してはならない物が幾つか存在します。
代表例はネギ類やチョコレート、キシリトール、解熱鎮痛剤などが挙げられます。
それぞれ摂取した量や含有量にも症状は異なり胃腸炎から肝臓・腎臓に多大なる影響を及ぼす場合もあり、場合によっては意識混濁に陥ることもあります。
食べた直後から3時間以内であれば病院で吐かせたり、場合によっては内視鏡下での摘出、胃洗浄が適応になる場合があります。
また食べたものの形状によって胃に入らず食道内に残っている場合、急性の呼吸困難になりますので至急来院してください。

3.交通事故・落下

交通事故や落下の場合、骨折や臓器の破裂が起こる場合があります。
事故直後に目の揺れが見られたり(眼振)足が突っ張っている様子が見られた場合、頭や首を無理に動かさずに至急来院してください。
病院にて血液検査やエコー検査、レントゲン検査を行い骨折や臓器の異常を速やかに把握し状況に応じた治療が必要となり、場合によっては緊急手術が必要になる場合があります。

4.胃拡張捻転症候群

中型犬や大型犬に多い病気です。
食事直後の運動やいつも以上にご飯を食べすぎた場合に胃が捻転し、吐き気や元気消失、血圧低下や不整脈によりぐったりしてしまいます。
レントゲンにて捻転が認められた場合は緊急手術が必要になり、手術に成功しても術後の致死率が非常に高い病気ですので上記の症状ありましたら至急来院してください。
お家でのケアとしては過食や食後の運動を避けることが挙げられます。

5.緑内障

緑内障とは何らかの原因で眼房水という目の中の水が溜まり過ぎることで痛みを生じ、場合によっては視力を失う可能性のある緊急疾患です。
突然目がシパシパして開けられなくなり同時に食欲低下や痛みがみられた場合は緑内障の可能性があります。
点眼薬や点滴を使い目の中に溜まった水を取り除く治療を行いますが、視力を失う可能性もあり、場合によっては外科手術が適応になる場合があります。

6.膵炎

急性膵炎の場合、突然の食欲不振や吐き気や下痢、お腹を痛そうにする「祈りのポーズ」といった症状がみられることがあります。
急性経過から慢性経過に移行する場合もあるので長期的な食事や内服薬による管理が必要になることもあります。

7.免疫介在性溶血性貧血(IMHA)

突然、舌や歯茎などの可視粘膜色が薄くなり、ふらつきが認めたられたり、呼吸が早くなった場合にはIMHAの可能性があります。免疫の病気なので突然発症し、急速に貧血が進む病気です。血尿や黄疸が出ることもあります。
免疫抑制治療や酸素吸入等の治療を行いますが、急速に貧血が進み輸血が必要になるなど重篤化する場合もありますので、疑わしい症状がある場合には病院にご連絡ください。

8.子宮蓄膿症

子宮内に細菌感染が起こり、膿が子宮内に留まることで炎症が全身に波及する病気です。
避妊していない犬で発熱、元気・食欲の低下、お尻から膿が排出された場合は子宮蓄膿症の可能性があります。
治療方法としては外科的に溜まっている子宮を取り除きますが、合併症として腎不全や血液凝固異常、低血糖など炎症に由来するものが多くありますので術後管理も非常に大切な病気です。

9.熱中症

夏場に多い熱中症ですが、短頭種や長毛種犬は熱放散が上手に出来ないので他の犬種よりも起こりやすいとされています。体温が上がることで血液凝固異常が起きたり、酸素が全身に行き渡らず臓器障害が起こり、重篤な例では死に至ることもあります。
常に新鮮なお水が飲めるように、風通しや湿度にも気を使っていただくことが大切です。散歩時間を朝晩涼しい時間にするのもよいでしょう。

10.難産

犬の妊娠期間は60日前後で、体温が37度以下に低下すれば24時間以内に出産が始まる可能性があります。出産前に赤ちゃんの頭の大きさと骨盤の大きさを比較して安全に出産できるかの判断が必要になります。
出産徴候があり、いきみや胎盤のみがでてきている場合は難産の可能性があるので早めにご連絡ください。事前にご自宅でもチェックできる難産の兆候を獣医さんから聞いておくと安心です。
 
以上簡単にご紹介させていただきました。
当院では365日24時間体制で皆様の大事なワンちゃんの安全と安心をお守りしています。普段の生活の中でいつもと違う様子や上記の様な気になる症状がありましたらいつでもご相談下さい。

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