寝る子は育つ! ~猫ちゃんの睡眠時間が長いワケ~
うちの猫、食べているとき以外ほとんど寝ているな、なんて思ったことはありませんか?
猫は「寝子」というくらい、他の動物に比べて眠る時間がとても長い動物です。1日のうち、平均して15時間ほどの睡眠を摂るのが当たり前で、仔猫や老猫では20時間ほど眠ることもあります。
なぜ猫はこんなに長い睡眠を必要とするのでしょうか。それは、肉食である猫ちゃんの食生活に関係しています。
お肉はカロリーが高く、1度食事をすれば1日中眠っていても十分生きていけるエネルギーを蓄えられます。
犬と猫をどちらも飼っている方はご存知かと思いますが、猫ちゃんのごはんは雑食のわんちゃんのごはんよりも、少量でたんぱく質が多く高カロリーに作られていることが多いです。お肉は消化するのにエネルギーを多く使うので、消耗を減らすために寝ながら消化しています。さらに猫はもともと狩猟をする動物です。いざ獲物が来た時に全力を出して追えるように、眠ってエネルギーを蓄えておくという野生の感覚が残っているのです。
しかしながら長く寝ているからと言って十分な睡眠がとれているわけではありません。
猫も人間も犬も、眠る動物はみんな「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りと、「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い眠りを交互に行っています。
人間は命の危機にさらされながら眠ることはほぼないので、80%が深い眠りです。猫は、野生だった本能が残っているので、外敵の気配をすぐに察知し身を守れるよう、80%が浅い眠りです。寝ている猫ちゃんに近づいたときに気配を感じ取られてパッと目をあけられた経験はありませんか?それが「レム睡眠」のときの猫ちゃんです。寝言を言ったり、手足をぱたぱたさせたりしながら寝ている子もいますが、夢の中で獲物を追いかけていたりするようです。
猫ちゃんは、1日に20時間眠っても、4時間くらいしかぐっすり眠れていないということがお分かりいただけたでしょうか。
それでもぐっすり眠れる時間が長い猫ちゃんの方が、長生きできる確率がぐんっとアップすると言われているのです。実際、ノンレム睡眠を定期的に3時間以上確保できないような野良ちゃんは、あまり長生きできていないというデータがあるそうです。確かに交通事故や、ごはんの確保、寝床の確保など、不安要素やストレスが尽きない野良ちゃんにとっては睡眠時間の確保もとても困難なことかもしれません。
一方みなさんのおうちにいる猫ちゃんたちは、みなさんの愛情をたくさんもらってのんびりと安心して過ごせる環境にいる猫ちゃんたちです。
ふかふかのベッド、暗くて狭いところ、高くてみんなが見えるところ、お母さんお父さんのおひざ…落ち着いて眠れる場所はその子その子で違うとは思いますが、1番近くで見守っているご家族の皆様だからこそ、その子の落ち着ける場所を作ることができると思います。
愛する家族が長生きできるよう、猫ちゃんが落ち着いて眠れる環境をなるべく整え、できるだけ長く一緒に過ごせたら幸せですね。
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