猫の緊急疾患:当院で多い病気7選
猫は非常に我慢強い動物です。多少具合が悪くても、頑張っていつも通りにふるまってしまいがち。ご自宅でいかに早く体調不良のサインに気付くかが猫の命を左右することもあります。
普段の生活でいつもと違う様子や下記に当てはまるような症状がありましたら夜間でも病院にご相談ください。
こちらでは当院で、猫に多く見られる緊急疾患をご紹介します。
呼吸速迫にはさまざまな原因がありますが、特に猫が口をあけて呼吸をしている時は注意が必要です。強い痛み、ストレス、あるいは呼吸・循環器疾患の重篤化のサインです。開口して呼吸している場合は、すぐに舌の色を確認してください。いつもはピンク色の舌が、青紫色になっている時は、十分に酸素が取り込めていない可能性があります。
次に、安静にしている時の呼吸を数えてください。一般に、自宅でリラックスしている猫の正常呼吸数は1分間で15-30回程が目安です。それより速い場合は肺炎・肺水腫・気胸・膿胸・胸水貯留・血栓症などの命に関わる病気が隠れている可能性もあり、急変の可能性がありますので、至急動物病院までご連絡ください。
猫の糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなることで、血液中の糖の濃度が高くなる病気です。
糖尿病が未治療のまま長期化したり、治療下でもコントロール不良になると、血中のケトン体という物質が増加し、体が酸性に傾きます。このような状態になると、1日から数日という短い期間で急に重篤化します。
ケトアシドーシスに進行した場合、早急に輸液や血糖値を下げる処置をしないと命を落とす場合があります。
糖尿病の症状としては多飲・多尿・多食・体重減少などが早期からみられることがありますので、このような症状がみられたら早めの来院をお勧めします。
猫の尿道閉塞とは、なんらかの原因で尿道がふさがり排尿がしにくくなったり、全くだせなくなる状態で、特に雄猫に多く見られます。
トイレのなかで何分もしぶっていたり、排尿が頻回で少量だったり、血尿になることで気付かれることが多い病気です。
原因には膀胱炎や尿石症などがあげられますが、全く尿がでない状態が続くと、急性腎不全や尿毒症になり、無治療だと数日で重篤化し死に至ります。
尿石症の場合は治療で改善した後にも食事管理や水を沢山飲ませることで再発を予防することが重要になります。
トイレでのしぶりや、いつもと違う排尿行動がみられたらすぐにご連絡ください。
猫が食べてはならない物が幾つか存在します。食べてはいけない物を消化・吸収する事で中毒症状を起こし、最悪の場合死に至る場合もあります。
代表例は人間用薬、ネギ類やチョコレート、ユリ科の植物、ぶどうなどですが、中毒症状は広範囲にわたります。
他にはひもやおもちゃを誤飲し、胃腸閉塞の原因になることもあります。原因物質の量や種類、食べてからどのくらい時間がたっているかによって処置は異なりますので、誤飲に気付いたらすぐにご連絡ください。
催吐、排出促進のための点滴以外にも、当院には内視鏡の設備があり、適応であれば内視鏡による異物摘出も行っています。
猫の急性腎不全とは、腎臓が突然機能不全に陥り、有害な物質を体外に排出できなくなった状態のことをいいます。
慢性腎不全では数ヶ月~数年かけて徐々に腎臓の機能が低下していきますが、急性の場合はたった1日でも急激に悪化し命を落とすことがあります。
原因は様々ですが、エチレングリコール(不凍液の原料)・ブドウ・ユリ科植物・生物毒・薬などの腎臓に対して毒性をもつものの異物誤飲が多く認められます。
急性の経過をたどる場合には至急点滴や投薬を始める必要があります。
急激な食欲不振、排尿が少ない、元気がない、嘔吐、痙攣など様々な症状を呈しますので、異変に気付いたらすぐにご来院ください。
生後数か月以内の仔猫や家に来たばかりの子猫たちは、感染症やストレスなど様々な要因によって体調を崩しやすく、重篤化しやすくなります。
少し前まで元気に動き回っていても、急な下痢や嘔吐によって低血糖になることも多いので早急な対応が必要です。
ご来院の際は、普段のごはんやワクチン・駆虫の歴を伺うと思いますので、仔猫を引き取る際の書類等もお持ちいただけるとスムーズです。
痙攣発作には、四肢の硬直・目の揺れ・痙攣・失禁・泡を吹くなど、さまざまな症状がみられます。こういった症状が突然みられたときには、意識状態を確認することが重要です。呼びかけに反応せずに痙攣がとまらず、目が上下左右に揺れるようなことがあれば、痙攣発作の可能性がありますのですぐに病院にご連絡ください。
発作の原因としては、脳神経系のコントロールが不全になるような頭蓋内疾患からくるもの、中毒によるもの、またはその他の臓器の疾患に伴う代謝性のものがあります。血液検査によって代謝性の疾患をまずは検査し、場合によってMRIなどの画像検査が必要になるかもしれません。
簡単にいくつかの緊急疾患をご紹介させていただきました。猫を飼っていると、夜の時間帯に様子がおかしくなることがありますよね。
中には怖がりな猫ちゃんもいます。病院に連れて行くことで余計にストレスになるのでは、と思う方も多いと思います。しかし、そういったシャイな猫ちゃんだからこそ自分たちの不調は上手に隠してしまいます。
いつも一緒にいる飼主様が感じる小さな異変は、なによりも大事なサインです。重篤化する前に是非、24時間診療の当院にご相談・ご来院ください。
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