子猫の育て方!5つの大事なポイント
「小さな子猫を拾ったけどどう育てたらいいのだろう」突然の出会いで準備が十分でない場合も多いでしょう。本来であればお母さん猫が子猫を育てるのが理想的です。母猫がいない子猫を保護した、母猫が子育てをしない場合、母猫のミルクが出ないなど、人間の助けが必要な子猫がいます。そんな子猫を育てる機会に出会った人に、5つの大切なポイントをご紹介します。
生後0~7日齢
感覚・運動ともに未熟で最も注意が必要な時期です
3日齢
へその緒がとれる
7~10日齢
眼があく(まだ青い眼をしています)
約9日齢
耳の穴が開く
14~35日齢
乳歯が生え始める 歩行をし始める
約21日齢
爪の出し入れができるようになる
1ヵ月齢
自力排せつができるようになる/眼の色が成猫に近づく/離乳が始まる
子猫には暖かく安全な寝床が必要です。本来であれば母猫に寄り添って温めてもらえますが、母猫のいない環境ではそうもいきません。生まれたての子猫は自分で体温調節ができないため低体温になると衰弱してしまい命に関わることもあります。
湯たんぽやマット、タオル等を使用し、直接子猫の体が熱くなりすぎないように注意して保温してください。寝床に手を入れて、温かみを感じる程度がよいでしょう。
理想は母猫に触れる温度で、生後1週目までは30度、1~3週目まで27度、3~5週目まで24度位での保温が目安です。
また、動きが出てくると思わぬところに潜り込んでいたり、寝床から出ていってしまっていたりすることがあります。寝床からは簡単に逃げ出せないような工夫も必要です。
生まれてきた子猫は自身の免疫が非常に弱いため、母猫の初乳に含まれる免疫を獲得することが必要です。もし生まれた子猫の近くに母猫がいる場合は絞り出した母猫の乳を飲ませたり、母猫の乳首を吸わせるよう補助してあげることが大切です。
人口哺乳をする場合は、子猫用のミルクを使用しましょう。人間の飲む牛乳では消化不良や栄養失調を起こします。哺乳器を用意し、使用の前には必ず熱湯消毒もしくは人間の赤ちゃん用の哺乳瓶消毒液をしましょう。
健康な子であればはじめは2~3時間おきに飲み方やお腹のはり具合を見ながら哺乳をし(7日齢くらいまでは1回2~3ml、7~14週齢では1日当たり体重20~25%を目安に始めてみましょう)体重の増え具合を見て徐々に間隔や量を調節していきましょう。無理をせずに急いで飲ませないことが大切です。ミルクが鼻からあふれてしまうのはうまく飲めていないサインです。そのまま続けると誤嚥性肺炎の原因となってしまいます。
乳歯が生えてくる頃になると徐々に離乳を始めます。浅めのお皿からミルクを飲ませることからはじめ柔らかいごはんに徐々に変えていきますが、この頃は軟便になりやすく無理をすると悪化して消化不良を起こし下痢となってしまいます。離乳食への移行は焦らず子猫の体調を見ながら進めていきましょう。
生後2ヶ月頃になると母猫からの抗体の効果が消失するため、動物病院でのワクチン接種が推奨されます。ワクチン接種を行わない状態では感染症に注意しなければいけません。
子猫に触れるときは手洗いをしっかりとして清潔な状態にしましょう。
猫は生後3週齢までは母猫が陰部を舐めて刺激することで、排尿排便を促します。
哺乳の前に濡らしたコットンやティッシュで陰部を優しくパタパタと陰部を刺激してあげましょう。
母猫の乳を飲めている場合でも体重がしっかり増えているかを確認することで、しっかり吸えているのかを判断することができるので毎日の体重測定は大切です。
体重は1日に10~15gづつ 1か月齢で500gくらいの増加が平均的ですので目安にしてみてください。
尿色は薄い黄色が正常です。濃い黄色の場合は脱水している可能性があります。
便は離乳前は数日に1回、離乳後は毎日が目安です。下痢をすると脱水や栄養失調になる危険があります。ミルクの温度や量を調整する必要がありますので動物病院に相談してみましょう。
子猫は1か月程度で視覚がしっかりとしてきます。だんだんと周りのものに興味をもちだし他の兄弟猫がいれば、じゃれて遊びはじめます。子猫の成長に適したスペースを作り、段ボール箱でお家を作ったり遊び道具をあげることも始めましょう。この頃に色々な経験をすることで、子猫が人やほかの動物などに慣れやすくなるといわれています。子猫の社会化のためにご家族が遊び相手になってあげることも大切です。
子猫は母猫からの病気をもらってきていることがあります。ウイルスによる風邪症状や寄生虫感染が一般的です。目ヤニが多くて目が明かない、鼻水やくしゃみが目立つ、体重が増えない、食欲がない、下痢をしている、皮膚に脱毛があるなど、気になる症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。
動物病院に連れて行く際にも免疫が不十分な子猫は注意が必要です。ケージ内を暖かくし、待合室ではカバーをかけて外に出さないようにするなどのちょっとした気配りを加えてみましょう。
動物病院で働いていると、猫を子猫の頃から育てた経験を持つ方とお会いする機会があります。皆さん一様に「大変だった」とおっしゃりますが、とてもうれしそうに誇らしげにお話しいただきます。そう、離乳していない子猫を育てるのはとても大変です。時間も手間もかかりますが、無事元気に成長した姿は何より愛おしく素晴らしい経験になります。
困ったときは、沢山の哺乳経験のある先輩ママでもある動物病院のスタッフにお気軽にご相談くださいね。
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