犬のコラム

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子犬のミルクのあげ方

これからご自宅のわんちゃんの妊娠や出産を考えていらっしゃる方は、楽しみなわくわくした気持ちとともに、母犬がちゃんと子育てしてくれるか不安な気持ちも抱えていらっしゃるかもしれません。もし母犬が子犬の世話を十分にできない場合は、人工哺乳などをしながら人の手で子育てのサポートをする必要があります。
 

とっても大切な初乳

おうちで母犬が出産した場合、できるだけ初乳を飲ませましょう。母犬の初乳は栄養価に優れているだけでなく、子犬の発育にとってとても重要な免疫(移行抗体)が含まれています。
産まれてすぐの子犬は母犬の乳首をうまく見つけられないことがあるので、子犬の口を母犬の乳首の近くまで持っていきサポートしてあげましょう。子犬がうまく吸い付けない場合は、母犬の初乳をしぼってスポイトなどで飲ませますが、誤嚥しないようゆっくりと飲ませてください。
 

人工哺乳の仕方

子犬があまり母乳を飲めない場合、もしくは飲んでいるように見えても体重が増えない場合は、人工哺乳が必要となります。「人工哺乳」と言っても、ただミルクを与えれば良いだけではありません。産まれて間もない子犬は、自力での体温調節や排泄が出来ず、母犬が世話をしないのであれば人が代わりにそうしたことの補助もしなければなりません。また、体力のない子犬は体調を崩し始めるとあっという間に弱ってしまうため、日々の体重や体調に関してこまめに記録をつけ、体調の異変に早く気付けるようにしましょう。
 

①保温
生まれたての子犬は自力での体温調節が出来ず、寒い環境下だとみるみる体温が下がり弱ってしまいます。子犬の正常体温は人の体温よりも高めなので、触ってあたたかくなければ毛布や湯たんぽなどで急いであたためてあげてください。(至近距離でのドライヤー乾燥、肌に直接触れる湯たんぽ使用などは火傷の原因となるため、注意して使用してください。)よくホッカイロやホットマットのみで保温する方がいますが、床があたたかくても空気が冷たければ体はあたたまりません。子犬のいる場所の近くに気温計を置き、室温を常に25~30度に保ち、お部屋そのものをあたたかくしてあげてください。
 

②排泄の補助
子犬は生後1カ月程までは自力でうまく排泄が出来ないため、母犬がお尻をなめて排泄をサポートします。母犬が子犬の世話をしない場合は、清潔でやわらかなティッシュやガーゼ等をぬるま湯で少し湿らせ、陰部や肛門周囲を優しくトントンと刺激して排泄を促してください。子犬の皮膚はとっても薄くデリケートなため、ゴシゴシこするのは厳禁です。排泄をさせる際に、下痢などがないかもチェックしましょう。下痢が悪化すると脱水や低血糖等により命に関わる状態になることもあるため、下痢の場合は早めの病院受診を勧めます。
 

 

③ミルクのあげ方
生後1カ月程までの子犬は、ミルクのみで育ちます。与えるミルクは、必ず市販の子犬用ミルクを与えてください。牛乳は下痢の原因となるため、与えてはいけません。
ミルクは哺乳瓶もしくはシリンジやスポイトで飲ませます。シリンジやスポイトは使い捨てが出来て衛生的ですが、誤嚥しやすいため注意が必要です。哺乳瓶は使用前に煮沸消毒して衛生的に扱い、ミルクは表示通りに作って余りはその都度捨て、作り置きはしないでください。
 

与えるミルクの量は犬のサイズ(小型犬or大型犬)により異なるため、与えるミルクの表示に従ってください。ミルクを与える回数は、生後2週間頃までは1日6~8回(3~4時間おき)、生後2~4週頃までは1日4~5回(5~6時間おき)となります。特に生まれたばかりの子犬は、空腹時間が長くなると低血糖になりやすいため、なるべくこまめにミルクを与えてください。冷えたミルクは下痢の原因となるため、哺乳時のミルクの温度はとても重要です。子犬に与えるときの温度は、人肌かそれより少しあたたかめ(36~38度程)になるようにしてください。哺乳の途中でミルクが冷えないよう。大きめのマグカップなどにお湯を入れ、哺乳瓶を湯煎しミルクを温めながら与えてください。
 

ミルクを飲ませる際は、必ず子犬をうつ伏せにして飲ませてください。ミルクを飲ませているときに、鼻からミルクが出てきたり嘔吐したり、ゲホゲホとしたりするようであれば、誤嚥の可能性があるため哺乳を止めてください。その後呼吸が早くなるようであれば、急いで動物病院へご連絡ください。
 

 

 

④体重測定
子犬は順調に育つと、1日当たり体重の1割程ずつ体重が増加します。離乳前の子犬は、1日1~2回(出来るだけ同じ時間)体重を測定し、ミルクの飲んだ量や体調とともに記録してください。元気そうに見えても、ミルクを飲む量や体重が減っていれば、病院へ連れていくサインとなります。
 

 

こんな時は急いで病院へ!

・元気がない、体が冷たい
・嘔吐、下痢
・呼吸が早い
・ミルクを飲まない、体重が増えない
 

※参考文献
・サンダース 犬と猫の小児科
・ゴールデンドッグミルク(森乳サンワールド)表記
 

文責:黒澤(永田)理紗

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