愛犬の健康を守る「心拍数」と「呼吸数」のチェック
投稿日 2025.02.12
最終更新日 2025.02.12
愛犬の健康を守るために、普段どんなことを気にかけていますか?食事や運動、毛並みの手入れももちろん大切ですが、意外と見落とされがちなのが「心拍数」と「呼吸数」のチェックです。これらは、犬の体調を知るためのシンプルで確実な方法。何気ない日常の中で異常を早期に発見する手助けをしてくれます。
「難しいことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はとても簡単。この記事では、日常生活で取り入れられる具体的な方法や異常があったときの対処法について、わかりやすく解説します。愛犬の健やかな毎日をサポートするための第一歩として、ぜひ取り入れてみてください!
測定の基本
・安静時に測定する
激しい運動や興奮の直後では心拍数が上昇しているため、犬がリラックスした状態で測定することが大切です。
散歩や遊びの後は、少なくとも30分間安静にさせてから測定しましょう。
・心拍数を感じる部位
①胸部
犬を横に寝かせて、前足の付け根部分(胸の左側)に手を当てると、心臓の鼓動を感じることができます。
②内股の動脈
後ろ足の内側(内もも部分)を軽く押さえると、動脈の拍動を感じられます。
<測定方法>
1. 15秒間に感じた鼓動の回数を数えます。
2. 数えた回数を4倍にして1分間の心拍数を計算します。
例:15秒間に30回の鼓動を感じた場合、30×4=120回/分。
<健康な犬の心拍数>
小型犬:100~160回/分
中型犬:80~120回/分
大型犬:60~100回/分
心拍数がこれらの範囲を大きく超えている、または極端に低い場合は異常の可能性があります。範囲内ではあっても、普段と大きく違う場合にも注意が必要です。
測定の基本
呼吸数も心拍数と同様に、安静時に測定します。犬が興奮していたり、運動直後では正確な数値が得られません。
・呼吸数を感じる部位
犬の胸部や腹部が上下する動きを観察します。
<測定方法>
1. 15秒間に胸や腹部が上下する回数を数えます。
2. 数えた回数を4倍にして1分間の呼吸数を計算します。
例:15秒間に10回の動きを感じた場合、10×4=40回/分。
<健康な犬の呼吸数>
安静時:10~30回/分
呼吸数がこれを超える場合(頻呼吸)や著しく低い場合(徐呼吸)は注意が必要です。範囲内ではあっても、普段と大きく違う場合にも注意が必要です。
心拍数の異常
1. 頻脈(心拍数が高い)
原因:熱中症、痛み、興奮、心臓病、ストレスなど。
対処法:涼しい場所で休ませ、水分を与えて30分後に再測定します。それでも高い場合は病院へ相談してください。
2. 徐脈(心拍数が低い)
原因:低体温、ショック、心疾患など。
対処法:体温を測定し、低体温の場合は毛布や湯たんぽで温めます。ぐったりしている場合はすぐに動物病院へ。
呼吸数の異常
1. 頻呼吸(呼吸数が多い)
原因:熱中症、肺炎、心不全、神経症状、ストレスなど。
対処法:犬を安静にさせ、涼しい場所で様子を見ます。呼吸が速いままで苦しそうな場合は病院へ急行します。
特に、呼吸が速く落ち着かずうろうろしたり、伏せて横になったりできない場合などは緊急のことがあります。
2. 徐呼吸(呼吸数が少ない)
原因:低体温、ショック、中毒など。
対処法:体温を上げるために温めるか、ぐったりしている様子もみられるなら緊急で動物病院へ連絡し、向かってください。
以下の症状が見られる場合は、すぐに動物病院に相談してください。
1. 心拍数や呼吸数が異常値のまま戻らない
安静にしても30分以上改善しない場合は異常の可能性があります。
2. 付随する症状がある
呼吸が浅く速い、呼吸の仕方がいつもと異なる、または苦しそうな様子。
嘔吐、下痢、虚脱状態、歩行困難、歯茎の色が青白い、または紫色。
3. 動物がぐったりしている
動こうとせず、反応が鈍い場合は緊急性が高いです。
1. 定期的な記録をつける
犬の安静時の心拍数や呼吸数を日常的に測定し、メモしておきます。これが異常の早期発見につながります。
また、動画などに寝ているとき(安静時)の呼吸の様子を記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
2. 生活環境を整える
犬がストレスなく快適に過ごせる環境を作りましょう。特に暑さ対策や寒さ対策は、季節ごとに必要です。
3. 適切な運動と食事
運動不足や肥満は心臓や呼吸器に負担をかけるため、適度な運動とバランスの取れた食事を心がけます。
4. 定期健診を受ける
心臓や呼吸器の疾患は早期発見が大切です。特に高齢犬は定期的に検診を受けましょう。
5. 遊びとリラックス
ストレスを軽減するために、一緒に遊んだり、リラックスできる時間や場所を作ることも健康維持には欠かせません。
心拍数と呼吸数のチェックは、愛犬の健康を見守る上で欠かせないシンプルで効果的な方法です。日常的に観察し記録することで、異常の早期発見につながり、大切な命を守ることができます。
「いつもと違うかも?」という小さなサインに気付けるのは、毎日そばにいるご家族だからこそ。ぜひこの記事を参考に、愛犬との時間にこの健康チェックを取り入れてみてください。もしも不安なことがあれば、迷わず動物病院に相談を。健康で幸せな毎日を愛犬とともに過ごせますように!
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