老猫をシャンプーに連れて行けるか?
「我が子をトリミングに連れて行きたいけど、老猫だし、心配」「年をとってきてから毛の汚れやふけ、毛玉が目立ってきているけど、どうしたらいいのかな」そんな声を時々耳にします。
トリミング施設では、毛の長さを整えたり、シャンプーをしたりして老猫の皮膚の健康を保つためのお手伝いをしていますが、老猫に限らず大半の猫はシャンプーどころか外出や知らないところが苦手です。それでもシャンプーやカットが必要になってくる老猫をトリミング施設に連れて行くうえで心配なこととは何が思いつくでしょうか。
例えば、身体的・精神的ストレス、トリミング施設での受け入れの状況などが挙げられると思います。そこで、今回は老猫のトリミングについての基礎知識をご紹介させていただきます。
身体的、精神的なストレスを考えたとき、全ての老猫に同じ頻度でシャンプーをする必要はありません。
元々猫は綺麗好きですが、老猫は若いころと比べ体の代謝が変わり、グルーミング(自分で毛を舐めて整える行動)も減ってきてしまいます。そのため、種類や状態によっては、健康を保つためにシャンプーやトリミングが定期的に必要になってくることがあります。ただし、その頻度はそれぞれです。外出やシャンプーのストレスと、必要性のバランスをみて決めてあげましょう。
・長毛種の老猫
短毛種の場合、猫自身が行うグルーミングによって被毛の清潔感はほぼ保たれているので、半年に1回の頻度でも大丈夫ですが、長毛種はセルフグルーミングが行き届きません。
グルーミングが行き届かないことで擦れやすい脇や、お腹、内股に毛玉やもつれが出来てしまいます。運動量の減った老猫だと、なおさら顕著です。毛玉が体中に付いてしまうと、、通気性が悪くなるため皮膚炎などの病気に発展してしまったり、皮膚が薄い猫ちゃんだと皮膚が引っ張られて痛みがでたり、重度の場合は皮膚が裂けてしまう事もあります。また、あまりに毛玉が大きくなると、それによって体の動きまで制限されてしまうことがあります。そこで「毛玉になる前」にトリミングをすることが必要になってきます。
・足腰の弱い老猫
足腰の弱った老猫は、トイレに失敗してしまったり、排泄物やご飯の上に転んでしまったり、その上セルフグルーミングが行き届かないことが多いため皮膚や被毛に汚れが残りやすい傾向にあります。
これらの老猫たちはとくに、定期的なシャンプーやトリミングが健康な生活を保つための大切な処置になってきます。
シャンプーも小さい頃から自宅でやっていたし大丈夫!毛玉くらい自分で出来る!
外出のストレスを減らしてあげるという意味では、自宅でシャンプーやトリミングをしてあげられたらいいですよね。
ご自宅でシャンプーをするときの、いくつかの注意点をご紹介します
・シャンプー剤はしっかり洗い流しましょう
人もそうですが、シャンプー剤が皮膚に残っていると、皮膚炎などの皮膚病になりかねません。しっかり洗い流しましょう。
・ドライヤーの熱、風量には気を付けて
早く乾かしたいからといって、近づけすぎるとやけどの原因になってしまいます。長毛種の場合、やみくもに風を当ててしまうとそこから毛がもつれて毛玉の原因になります。
・ブラッシングはしっかりと
乾かした後のブラッシングで最後のチェックです。毛玉が残っていないか念入りに確認しましょう。
・毛玉の処置
毛玉が小さいうちにこまめにブラッシングをしてほぐせるようであれば、ぜひご自宅で続けてあげてください。
ただ、ブラシやくしではほぐせないぐらいの毛玉をハサミなどでカットする際は、かなり慎重に行う必要があります。猫の皮膚は非常にうすくよく伸びるので、毛玉だけを切っているはずが、皮膚も傷つけてけがをさせてしまうこともあります。そのため、ご自宅でカットするのではなく、トリミング施設での施術をお勧めします。
老猫をシャンプーに連れて行きたいけど、「やっぱりストレスは気になる」「でもおうちではシャンプーが難しくて」とお悩みのかたは、信頼をおけるトリミング施設を探しましょう。
出来るだけ負担を与えない施設や手技であれば、繊細な老猫さんでも安心して預けられますし、最小限の負担で健康な皮膚・被毛の維持につながるのではないでしょうか。
日本動物医療センター併設のトリミングサロンcocoeでは、そんな老猫でも扱えるようなテクニックと環境が備わっています。また、第1木曜日には猫ちゃん専用のトリミング日を設けております。猫ちゃんだけの空間で静かな環境でのストレスフリーなトリミングを行っておりますので是非ご相談下さい。その子にあった環境作りを一緒に行っていきましょう。
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