犬とストレス② ~犬を連れておでかけするときに心がけてほしいこと~
みなさまこんにちは。突然ですが、おうちのわんちゃんはお出かけが好きですか?暖かい季節になるとわんちゃんと一緒に遠出をしたくなりますね。時には車に乗って、いつもと違う場所に行ったり、健診のために動物病院に行ったりすることもあるかもしれませんね。
ところが、日常をおうちで暮らすわんちゃん達にとって突然の移動は大きなストレスになることがあります。お家の方もわんちゃんも、おでかけを存分に楽しめるように、しっかり準備をしていきましょう!
わんちゃんの移動手段には徒歩・ドッグカート・電車・車・飛行機など様々なものがありますね。どんな手段であれ、ご家族様にいつも覚えておいていただきたいのは「わんちゃんは慣れないことにストレスを感じやすい」と言うことです。散歩ひとつとっても、慣れない時間帯やいつもと違うリードを使うことにも敏感な子もいますし、ましてやルートの変更は彼らにとって新しいことの連続です。私たちにとって、「そこの角のお店へ寄り道」くらいのことでも、わんちゃんにとっては散歩のルーティーンが乱され、不安の要素になり得るのです。もちろんその変化や刺激を楽しむことにお散歩の醍醐味もあるのですが、わんちゃんの性格によっては、それらを不安や恐怖と感じることもあるかもしれない、ということを少し思い出しながらお散歩中の様子を観察してみてください。例えば、お散歩を始めてまだ日の浅いパピー、引っ越したばかりで周辺に馴染みがないわんちゃん、目や耳が不自由になってきた老犬などには、ある程度決まったルーティーンや道順を意識的に設定することで、刺激に慣れさせてあげましょう。お散歩やお出かけに対して恐怖心を感じにくく、楽しみやすくなるでしょう。
電車や車などを使った長距離移動がある際は、事前にクレートトレーニングをしておきましょう。クレートに入ることで、どの移動手段を使っても、その中で安心できるということを教えてあげることがとても大切です。わんちゃんがクレートやキャリーバッグに入ることに抵抗がないことは、移動の際だけでなく、災害時や動物病院への来院などでも非常に役に立ちます。例えば、おうちの中でクレートに近づくとおやつをもらえる→クレートに入ったらおやつがもらえる・・など徐々に存在に慣れていき、コマンドによって自分からクレートに入るようになれることを目指しましょう。必要な時に「クレートをみせると逃げちゃう」と困ってしまうことがないように、普段から日常生活のなかに隠れる場所、安心できる場所、として是非導入してみてくださいね。
クレートに入れるようになったら、次は実際の移動です。ただ、すぐにクレートを車に乗せても、長距離の移動は禁物。わんちゃんたちは、クレートの中で安心していても、周囲の新しいことには敏感に気づくでしょう。例えば、エンジン音、振動、車の匂い。それら全ては彼らにとって「これから何がおこるんだろう?」と警戒するのに十分な要素になります。車に乗る、ドアをしめる、エンジンをかける、走り出す。ドライブのすべての行程を、小さいステップに分けて考えてみましょう。まずは車内にはいって、様子をみる。怖がった様子がなければ、次はドアを閉める・・そのようにひとつずつ行程をクリアしていきましょう。問題なければ最初のドライブは近場にして、そこで思い切りわんちゃんが楽しめることをしてみてあげてください。ドライブにいくといいことがある、と覚えてもらえたら成功です。慣れてきてから遠出や通院にチャレンジしていきましょう。
また、車酔いは人間同様わんちゃんにもよくみられます。分かりやすい症状としては嘔吐、移動中に突然ぐったりするなどありますが、それらの様子がみられる場合には直ちに移動を中断して、休憩をとり、様子を観察してください。個体差によって車酔いをしやすいわんちゃんもいますし、一度経験すると繰り返すケースも少なくありません。移動の際は揺れに注意する、喚起をする、直前の食事をさける、こまめに休憩をとるなどの対策をとりましょう。それでも車酔いをしやすい子には、移動の前に処方薬を使用する方法もあります。是非、当院でもご相談ください。
ご来院の際にもお困りごとや心配事があれば事前にお電話でご相談ください。
おでかけに慣れていないわんちゃんにとって、移動は大きな負担になりうる、ということを考慮して、事前にしっかり対策を取ってあげましょう。そうして、ストレスの少ないおでかけで、ご家族みんなが楽しい時間をすごせることを、スタッフ一同心から願っています!
わんちゃんとの素敵な関係性のために、こちらの記事もどうぞご覧ください!
「犬とストレス① ~7つのサイン~」
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