犬の食餌選び ―栄養についてのお話―
毎日与える愛犬のご飯、何を基準に選べばよいか悩みますよね。食事選びはもちろん、今ご自宅で与えているフードの袋に成分表示がありますがどのように見ればよいのかも難しいところです。
必要な栄養素やカロリーは、生活環境や年齢によって様々です。
今回は、まずわんちゃん全般に当てはまる栄養についてお話しさせていただきます。
犬には生きていくために必要な6大栄養素があります。
●蛋白質:筋肉、血液、内臓、皮膚、被毛など体を構成しま
●炭水化物:糖質と繊維質に分解され糖質が体のエネルギーになります。繊維質は主に腸の健康を維持します
●脂肪:蛋白質や炭水化物に比べて約2.5倍のエネルギー源になり脂溶性ビタミンを運んだり、嗜好性をよくします
●ミネラル:骨や体を構成する栄養素です。
●ビタミン:体の正常な発育や代謝を調節するとても微量な栄養素です。脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)と水溶性ビタミン(ビタミンB,C)に分類されます
●水分:水分は生命を維持するために最も大切なものです
体のエネルギーになってくれるのは蛋白質、炭水化物、脂肪の3大栄養素といわれるものです。
量は違いますが、わたしたちと同じ栄養素を必要としているんですね!
食餌には『総合栄養食』『副食、一般食』『おやつ、間食』などがあり、フードの裏に表記されています。
大事なのは『総合栄養食』を選ぶ事です。
総合栄養食とは、『犬または猫に毎日の主要な食事として給与する事を目的とし、指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスの取れた製品』(一般社団法人ペットフード協会)をいいます。
なので、総合栄養食と新鮮なお水があれば生活に必要な栄養素をバランスよく得ることができます。
副食やおやつは趣向性が高いものが多くでわんちゃんは大好きかもしれませんが、栄養組成が偏っていたり、余分なカロリーにより肥満や栄養バランスの乱れなどが生じるため、与え方には注意が必要です。
ライフステージによって必要な栄養素の量が変わってきます。では、パピー、アダルト、シニア期の食餌は何が違うのでしょうか?
●パピー期(子犬期 約0歳~1歳)
体を急激に成長させるためにたくさんのエネルギーが必要な時期なので、カロリーの高い栄養組成になっています。体を構成する蛋白質、エネルギー量が多い脂肪を多く含んでいます。
●アダルト期(成犬期 1歳~7歳)
パピー期のご飯をあげ続けると脂肪の含有量が多い分、肥満の原因にもなってしまうのでご少しづつアダルト期のものに切り替えていきましょう。
その際、その子の運動量や環境、体型によって量や食餌内容の検討が必要になります。特に避妊、去勢手術後はホルモンバランスが変わったり、繁殖で使うエネルギーが必要とされなくなるのでエネルギー要求量が減って手術前の食餌をあげ続けていると肥満の原因にもなります。
避妊、去勢手術後用のカロリーの低いものや今までのご飯の量を少し減らして肥満しないように注意が必要です。
●シニア期(老犬期 7歳~)
基礎代謝が低下してくるのでアダルト期と同じものをあげていると肥満の原因にもなります。カロリーを控えたのものや、歳を重ねて心臓や腎臓に負担がかかってくるので、ナトリウム(塩分)、リンを制限していたり、関節保護のためにグルコサミンやコンドロイチンを配合した食餌もあります。
運動機能が落ちるとお水をうまく飲めなくなったりするので新鮮なお水はいつでも飲めるようにしておく工夫も大切です。
体型をCheckするBCS(Body Condition Score ボディ コンディション スコア)というものがあります。
なかなか体重測定が難しかったり、今の体型が肥満気味なのかの判断はご自宅では難しいかと思います。
日ごろ飼い主様とお話をしていても、愛犬の太っている、痩せているという認識は様々です。適切でない食餌を続けた場合は栄養失調による免疫低下や、逆に成人病予備軍になり病気のもととなってしまうかもしれません。
一度、病院で体型をチェックして、食餌や生活習慣の見直しをしてみませんか?
今食べているご飯をお持ち頂いて、今の内容や量で良いのかその子にあった食餌プランを一緒に検討してみましょう!
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