コンシェルジュが在籍

コンシェルジュは「皆さまに寄り添う」ための存在です。

コンシェルジュについて

当院には、動物病院では珍しい「コンシェルジュ」が在籍しています。
その役割は、ご家族のそばに寄り添い、安心して医療を受けていただくための架け橋となることです。

診療の場面では、ときに思いがけない検査結果や厳しいお話をお伝えしなければならないこともあります。獣医師や愛玩動物看護師も、心を込めて向き合っておりますが、ご家族の皆さまが突然のことで動揺し、冷静にお話を受け止められないこともあるかと思います。

そんなときコンシェルジュは、待合室にてご家族の表情や様子に細やかに目を配り、「ご不安なことはございませんか」と静かに声をかけさせていただきます。

診察室では限られた時間の中で、なかなかお話しできないご家族と動物たちが紡いできた大切な歴史、日常のエピソード、不安な想い──
それらを伺い、医療チームに丁寧に共有しながら、「その子らしさ」を大切にした医療につなげてまいります。

私たちのコンシェルジュは、ご家族様と動物たちにとって、いつでも安心して立ち寄れる「もう一つの窓口」でありたいと願っています。

コンシェルジュを設けた経緯

実はコンシェルジュを設けたのにはこのような経緯があります。

2000年代はじめのころに現代表はご高齢の男性のオーナー様、そのご家族様のシーズーと出会います。院長もスタッフも手を尽くしたのですが、残念ながらその子は亡くなってしまいました。飼い主様は治療内容に納得しているご様子で「ありがとうございました」と仰ってくださいました。さらに、その1週間後くらいには、菓子折りを持ってご挨拶にも来てくださいました。

しかし、そのときに飼い主様がぽつりともらした言葉に、院長は心を大きく揺さぶられました。

「先生、あの犬は亡くなった妻が大切にしていた犬で、本当に大切だったんですよ……」

ご家族様に誠実に向き合ったつもりでいました。もちろん、シーズーにも真摯に向き合いました。

けれど、もし、奥様とシーズーのエピソードを治療のときに知っていたら、プラスアルファのなにかができたんじゃないかと感じたのです。それまでの獣医療に対する向き合い方は、果たして正しかったのだろうか、と衝撃を受けました。

医療に手抜きをしたわけでは決してありません。けれど、ご家族様と動物の間に流れる「信頼関係」や両者が築いてきた「歴史」を知り、触れることで、新しい動物医療の形を創ることができるのではないかと思ったのです。

このご家族様とシーズーとの出会いを機に、ただ目の前にいる動物とご家族様を見て、治療をするという在り方を変え、動物と人の間に垣間見える「想い」や「歴史」のようなものを知ったうえで治療を行うことを実践し続けてきました。

コンシェルジュは「ご家族様と動物の間に流れる絆や関係性」を知り、ご家族様と動物の気持ちに寄り添った獣医療を提供するために、当院では重要な役割を果たしています。

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