インタビュー
Interview
獣医師有藤 翔平
出身大学:岩手大学
入社:2007年4月新卒
所属:日本動物医療センターグループ 執行役員、日本動物医療センター本院 院長、獣医師

日本動物医療センターを選んだ理由は?
学生の頃から救急医療に憧れがあり「大きな動物病院で夜間救急をやりたい。」と思っていたため、24時間診療を行っている動物病院を探していました。地域には特にこだわりはなかったので、とりあえず「東京 夜間 動物病院」でHPを検索してみたことがきっかけです。当時、夜間診療をやっている病院は少なく、一番初めにヒットした記憶があります。大学4年生の夏休みを利用しJAMCへ見学に行きました。当時のJAMCはやや古めかしい病院で、更衣室は薄暗く、レントゲンは手現像。正直あまり良い印象はありませんでした(笑) ただ、当時の院長と話をした時に「またいつでもおいで」と言われたことが心に残り、大学5年生の時、他の動物病院見学に行ったタイミングで、1日だけ時間が空いたので再度訪れてみました。レントゲンがCRに代わり、なんだか雰囲気も心なしか変わった印象。ここで働くイメージが見えた気がしました。大学6年生の春、就職希望としてJAMCに本格的に実習に行き、その時に就職が決まりました。
JAMCを選んだ理由は、夜間救急は第一条件でしたが、それ以外にはスタッフの雰囲気の良いところ、将来自分が働いている姿をきちんとイメージできたこと、病院としての勢いを感じたことが最終的に動物病院を選んだ理由です。
実際に働かれてみて、日本動物医療センターをどう思いますか?

もともと武者修行するくらいのつもりで忙しい病院を求めて就職したため、特に入ってから後悔したことはありません。新たに学ぶことがなくなったら転職をする。ということを当時考えていましたが、何年たっても新しく学ぶことが増え、出来ることが増え、気が付いたら今に至るという感じです。毎年新しいことに挑戦できる環境、自分の得意分野を伸ばせる環境、LWBとモチベーションを保ちながら働ける環境としては申し分ないと思っています。
動物を夜間一人ぼっちにしないだけでなく、夜間の姿をご家族様に隠すことなく自信を持って見せることのできる体制は、なかなか真似できない素晴らしい仕組みだと思っています。
現在、力を入れて取り組んでいることはありますか?
院長という立場になり80名以上のスタッフをまとめるにあたって、やればやるほど難しさを感じています。部下に信頼される上司になるためにはどのような立ち振る舞いをすべきか、どのような受け答えをすべきか、その中で自分らしさをどう活かすか。会社の方向性とスタッフ全員の意見を完全一致させることが難しい中で、日々試行錯誤しながらマネジメントを勉強させてもらっています。積極的に取り組んできた外科に関しては今後もJAMCの軸となるべく、日々の勉強やセミナーへの参加を行い、医療レベルの向上を目指しています。2024年にはJAHA外科認定医やISVPS外科認定医を取得しました。今後はその培った技術や知識を元に、スタッフ教育にも力を入れて行きたいと思っています。
あなたが大事にしていることは何ですか?
獣医師として動物を治すことはもちろん重要ですが、それだけでなくご家族様の心もケアし、笑顔にすることが獣医師としての責務だと思っています。病気で治療をしていた動物が残念ながら亡くなってしまうことももちろんあります。ただ、その子を看取り、悲しみを乗り越えた後、後日新しい動物を迎え入れ、このJAMCに再び連れてきてもらえることは非常に嬉しいことです。「先生!!新しい子迎えたよ!またよろしくね。」それが自分のなかでの目標です。
スタッフに対しても、ご家族様に対しても、安心感を与えられる存在となることができるように普段から気分のムラを無くし、そして頼ってもらえるように日々勉強し、いつでも相談しやすいと思ってもらえるよう心がけています。そしてその想いが病院全体に広がり、すべての人が穏やかな気持ちで日々過ごせると嬉しいです。
印象に残っていることはありますか?

JAMCの2017年大改修は特に印象深いです。24時間診療を続けながら改装を行い、数年かけて全館リニューアルしました。その工事を建築士さんやデザイナーさんと計画し立ち合い、時にみんなで協力して重いものを移動させなんとか無事に完了まで漕ぎつけました。JAMCの歴史に残る働きが出来たことは非常に喜ばしいことです。今でも新しくなった建物でみんなが生き生きと働いているのをみるととても幸せな気分になります。改装の際は非常に不便な思いをし、騒音もひどく、かなり大変な時期でしたが、今となってはそれも良い思い出です。
20年近くも同じ動物病院に勤めていると、新人の頃から診ているご家族様ともかなり長い付き合いとなっています。2代目の子が子犬の頃から、いまはお年寄り。ご家族様も自分も、10年も経つと歴史を感じます。なんだか一緒に人生を歩んでいる気持ちに。「あの頃はぴちぴちしてましたもんね」という昔話も感慨深いものです。
1日の流れ
8:20 | 病院到着、着がえ |
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8:30 | 全体ミーティング 入院患者の容体や注意点について夜勤明けのスタッフより共有してもらったのち、本日の来院患者の情報、手術予定について共有します。 |
8:45 | 朝礼 |
9:00 | 午前の診療開始 診療が開始します。午前中は1人当たりおよそ5~6件ほどを診療します。 |
13:00 | 休診 お昼休憩をとります。お昼休憩中は中央のテーブルに集まってスタッフ通しのコミュニケーション。または午後に必要なことの前準備をしながらご飯を食べます。 |
13:30 | ラウンド 入院の引継ぎや情報共有をします。午前中に気が付いたことなど、AHTの入院担当や、VETの入院担当から聞きます。手術は基本的に、午前・午後の診察時間帯に同時並行して実施します。 |
14:00 | 午後の診療開始 午後の部の診察です。午後はおよそ1人当たり5~6件ほどを診療します。多い日はひとり10件ほど。手術があれば手術に入ります。 |
17:00 | 夕方の入院処置 引き継ぎを行います。 |
17:45 | 終礼 夜勤スタッフに現在の入院中患者の情報を共有したのち、退勤となります。その後、日中出来なかった入院の処置や、カルテの仕上げ、その他残った仕事を行います。 退勤は閑散期は19:00〜20:00頃が多いです。繁忙期は20時を超えることもあります。 |