私たちの課題と挑戦

Challenges and challenges

病院規模などの変化がもたらした課題

法律、経済、社会、技術などの外部環境は常に変化し続けますが、私たちはそれに順応し、変化し続ける必要があります。言葉にするのは簡単ですが、実際に病院の課題を解決するのは簡単ではありません。

ダーウィンはこのような言葉を残しています。
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」

社会が変わり続ける限り、これからも当院はたえず障壁に直面することでしょう。
しかしそれは当然のことなのです。私たちは歩みを止めず、変化し続けます。

ここでは、私たちが実際に直面してきた課題と、それにどう向き合っているのか、正直にお話しします。なお、当院では恒常的に新しい社内制度をテストし、当院に最適な形を模索しています。そのため、下記に紹介する内容は現在の内容とは一部異なる可能性があることをご了承ください。

コミュニケーション不足

現在、当院では50名を超えるスタッフが在籍しています。建物は地下1階から地上4階に分かれ、本館とは別にトリミング施設が入る新館も存在します。また、働き方の多様化を進めていることで、スタッフ全員が顔を合わせてコミュニケーションをとったり、直接会えないスタッフがいたりとコミュニケーションの密度が低下してきました。

そのため、部門間の連携に問題が生じたり、同じ部門内でも情報共有がうまくいかなかったり、人数や仕事面積が増えることによる不都合が生じてきました。

そこで当院では5つの施策を講じました。

1. 水曜日午後を休診にし、チームで話しあう機会を設けた

2019年1月より思い切って水曜日午後を休診にしました。基本的に水曜日は全員出勤とし、各種会議や打ち合わせを水曜日午後に集中させるようにし、相談や打ち合わせの時間を取りやすくしました。また、この時間を使い、病院全体に関する話を院長または副院長から直接全体に伝えられるようにしました。
インターネット(下記に説明するLINEワークスや、他にも情報共有のためのWEBサービスを利用)でも情報共有は可能ですが、やはり対面でないと伝わりきらない部分もあると感じています。

2. ジョブローテーション制度を採用し、別職種の仕事を理解できるようにした

ジョブローテーション制度とは、本来の自分の職種とは異なる職種を一定期間担当するものです。自分の職種以外の仕事を学ぶことは、別職種のスタッフとのコミュニケーション促進・関係性の構築に役立ちます。また、共通で必要な技術や知識をそれぞれ得意な職種のスタッフから学ぶことができます。
他職種への仕事の理解が進むことで、その職種のスタッフが忙しい時に気軽に声をかけられるようになり、手助けしやすくなった感覚があります。

3. LINEワークスを採用し、情報共有を円滑にした

当院は24時間、365日診療を行なっている関係で、常にスタッフ間で情報が行き来しています。情報によっては、その日お休みのスタッフも出勤の際に把握しなければならないものもあります。
そういった情報をよりスムーズに共有するためのツールとしてLINEワークスを採用しました。これはLINEのお仕事版のアプリであり、必要に応じてグループを作り、会話を行うことができます。このアプリを導入した結果、出勤時に「自身が不在の間、どういう話が共有されたのか」を簡単に確認できるようになりました。
LINEワークスは自分のプライベートのLINEとは別アプリとなるので、お休みの日に仕事のLINEが入る、ということもありません。自身のプライベートの携帯電話に仕事のアプリを入れることも避けたいため、基本的に全スタッフに仕事用の携帯電話を渡し、そちらにLINEワークスのアプリを入れてもらっています。

4. 全体アンケート制度を採用し、意見を言いやすくした

当院では多様性を大事にしており、スタッフが自分の意見を表明できる場を設けることも大事だと考えています。そこでスタッフ全体へアンケートを取るシステムを用い、スタッフの声を集めやすくしました。
過去には「ボーナス制度を変えたい方、意見がある方はいますか?」とアンケートを採り、議論に加わりたい方でグループを作り、話しあったこともあります。ボーナス制度は一例ですが、改善点や相談ごとに関する意見を発しやくすることで、コミュニケーションの機会が増えました。

5. 電子カルテを採用し、カルテ情報の共有を効率的にできるようにした

従来の紙カルテの場合、受付にカルテを保管し、診療のたびに出し入れする流れをとります。一方、電子カルテの場合はネットワーク上にカルテ情報が存在するため、カルテ情報の共有が楽になりました。インターネット環境さえあれば誰でも同一の情報を見ることができるため、異なる診察室にいる獣医師との情報共有がスムーズになり、コミュニケーションの活性化に繋がっています。

サービス残業、時間外労働問題

昨今のサービス残業、時間外労働(残業)問題は早急に改善しなくてはならない問題です。実際に、当院でも以前はサービス残業や時間外労働(残業)が多く発生してしまっていました。

当院では2014年から時間外労働に関して問題意識をもちはじめ、定額残業制度を導入しました。しかしながら、サービス残業に対しては改善しましたが、残業時間はまだ多く、獣医師の時間外労働が月に100時間を超えることもあったのが事実です。

2019年現在、働き方改革法案が中小企業に適用されるのも間もなくとなり、当院でもこれまで以上に残業問題に取り組んでいます。

現在はこうようなことに取り組んでいます。
・労働量に見合った労働力を確保するためのリクルートに力を入れる
・シフト交代時に残っている業務は引き継ぎ、時間通りに帰ることを目標とする
・会議は極力水曜日午後に集中させ、それ以外では行わないようにする
・各自の時間外労働時間を貼りだし、自身の残業時間を意識する
・仕組みで改善できることを日々検討する

これらにより、2019年に入ってからは獣医師の残業時間は人によりますが45時間ほどまでに減ってきました。

待ち時間問題

当院では毎年、ご家族様向けにアンケート調査を行っており、待ち時間が長いことを長年指摘されています。その原因の一つとして診断を必要とする重症例の動物たちの外来と、予防医療や維持治療を目的とする動物たちの外来が混在していることが考えられました。

そこで、2019年4月から予防医療や維持治療を目的とした動物に特化した完全予約制のクリニックである「ウェルネスクリニック」を新館地下に開設することとしました。25分1枠とし、ご予約を頂く仕組みです。これによりご家族様を長くお待たせすることが減らせられれば、と考えています。

まだ本クリニック開設から間もなく、待ち時間問題の解消につながっているかは判断できていませんので、実際の待ち時間がどう変わったかを見て本施策が有効であったかどうかを判断したいと思っています。

また、当院ではよりスムーズな診療・情報伝達を行うために電子カルテやクラウド型の録画・防犯カメラ(誰がどこにいるかを知るのに役立ちます)を導入したり、会計時間短縮のための自動釣銭機システムを導入しています。